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「歯磨き粉みたいな味がする…」アンチの多い“チョコミント”が流行した4つの理由とは?

『何が食べたいの、日本人? 平成・令和食ブーム総ざらい』より #1

2020/11/16

チョコミントはなぜブームになったのか?

 私が初めてチョコミントフレーバーのアイスに出合ったのは1982年、B-Rサーティワンアイスクリームでだった。年をはっきり特定できるのは、その年の夏休み、中学校の部活仲間に誘われて、初めて乗り換え駅前の店に足を踏み入れたからである。

 サーティワンアイスクリームは、アイスクリーム大国のアメリカから上陸し、1974年に東京・目黒に1号店ができた。ご存じのように、キャラメルリボンやストロベリーチーズケーキといった、バラエティ豊かなフレーバーが特徴である。そのカラフルさ。味の種類の豊かさ。ほぼ全部、初めての味ばかりだったが、中でもチョコミントは驚きのアイスだった。

コントラストのある独特の味わい

 当時、私はミント味といえば、チューインガム、歯磨き粉ぐらいしか知らなかった。サーティワンのチョコレートミントアイスは、食べものとは思えないほど爽やかで鮮やかなミントグリーンの色をしていた。清涼感がチョコレートの甘さと交互に来る。もしかすると、あのコントラストのある味わいが、ティラミスブームへの序章だったのかもしれない。

©iStock.com

 つまり、異なる味を一度に口にすることで生まれるハーモニーを楽しむ、という世界への入り口だった。

 あれから三十数年。日本人の食べものに対する感性は大きく変わった。インド料理にフランス料理といった、外国料理の店がふえたし、食材も手に入りやすくなったので、味も本場に近づいている。外国に住んだり旅行するなどして、現地の味に親しんだ人がふえたことも影響しているし、移民がふえてお国料理を提供するようになったこともあるだろう。異文化の味に親しむということは、多彩な食材や料理になじんでいるということだ。

 ミントが町にあふれるようになったのは、2000年前後のカフェブームがきっかけだったのではないかと思う。カフェで提供される、かわいらしいビジュアルのドリンクやデザートには、よくミントの葉っぱがトッピングされているからだ。同じ頃ブームになったベトナム料理でも、たとえばお好み焼きみたいなバインセオを注文すれば、フレッシュミントがレタスと一緒に出てくるなど、ミントはよく使われている。

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