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連載テレビ健康診断

大阪都構想住民投票の日、なぜMBSは特番をやらなかったのだろうか――青木るえか「テレビ健康診断」

『ちちんぷいぷい』(毎日放送)

2020/11/17

 大阪都構想住民投票の夜の大阪の地上波はどの局も「大阪の決断再び!」みたいな特番をやっていた。関西テレビは『Mr.サンデー』を拡大して宮根誠司と橋下徹がガン首並べ、夜中も報道特番やってたし。日本で二番目の大都市がまっぷたつに割れて争うとなれば、地元局は色めきたつ。

 が。なぜかMBS毎日放送は特番をやらなかった。

MBS毎日放送 ©AFLO

 橋下府知事と対立した大阪市長の平松邦夫が元MBS。番組で橋下さんに鋭く斬り込むなど、反維新の局というイメージがあったMBS。しかし最近吉村知事松井市長にすりよってるんじゃないかとか言われてるMBS。ここが地上波で特番を「やらない」のは意味があるだろう、やっぱり。

 となると翌日の『ちちんぷいぷい』~『ミント!』(同局の午後ワイド)の流れには注目せねばなるまい。

 で、見始めたら「コロナ禍のなんば戎橋ハロウィン騒ぎ」のノンキなレポート。けっこうたっぷりやったあとに待ってました大阪都構想住民投票の話題!……が、ボンヤリした結果分析みたいな感想の述べ合い。ハイヒールリンゴ(吉本だ)の「自民市議の北野(妙子)さんがひとりで頑張ってはって、否決になった瞬間に自民の国会議員がいっぱい出てきてそれどうなん」発言がわりと心に残り、ナジャ・グランディーバ(太田プロだ)は「変化があってもいいのに……」な口ぶりで、よゐこ(松竹芸能だ)の有野晋哉は何か無口。番組の流れとしては「まあ、終わったことやし結果分析でもしときますか……」。それで都構想の話は終わった。え。

 しかし『ぷいぷい』から『ミント!』に移ったらいきなり橋下徹登場! さばさばと負けを認め、「有権者を馬鹿にしてはいけませんよ」と言い、公明党はさすがだとイヤミっぽくなく持ち上げ、ぼくの目指すのは道州制とか言いだしてケムにまき、松井吉村と焼き鳥食う約束したとかいって笑いを取り、いやこの人はずっとこの調子で一定の人気を得るんだろうなと思い暗い気持ちになる。注目すべきは、都構想推進派で前の投票で負けて「大阪は終わった」とまで思ったらしいたむらけんじ(吉本だ!)が、「今回は最初から燃えへんかった」と精気がなく、この精気のなさが「維新の敗因」を象徴的に表してるように見えた。維新推しでもこんな気分だったんだろう。橋下さんが帰ったあとは、昼からやってる都構想関連ニュース映像をなんべんも繰り返して、この問題について語るのは大好きそうなのに、どうして投票日に地上波で特番しなかったんだか、最後までよくわからなかった(その後、YouTubeで開票速報したことを知ったが、テレビ局が地上波でやらないでどうすんだよ。その動画見たけど純粋に速報してて解説の関学准教授の話も面白かったのに!)。

INFORMATION

『ちちんぷいぷい』
毎日放送 月~金 13:55~
https://www.mbs.jp/puipui/

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