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 もう一つ間接自慢の例を挙げてみましょう。

 例えば、ある女性が「テリーヌが美味しすぎた」という書き込みとともに、オシャレなレストランの料理(テリーヌ)の写真をインスタグラムに投稿したとします。その女性の言いたいことは、テリーヌの美味しさであり、本来、テリーヌだけが写っていれば、彼女の言いたいことは示せるはずです。ところが、なぜかその写真の端っこには、テリーヌと一切関係のないティファニーの箱が見切れて写っているのです。

 テリーヌの美味しさを周りに伝えたいフリをしながら、こんなオシャレな料理の出るレストランに連れて来てくれて、ティファニーのプレゼントまでしてくれる素敵な彼氏が私にはいるのよ、ということを暗に周りにほのめかしているのです。

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「間接自慢」と「匂わせ」

 この「間接自慢」という手法は、最近では「匂わせ」と表現されます。

 例えば、一般人の女性がある男性アイドルと付き合っているとします。男性アイドルは職業上、彼女がいることを絶対に公表できません。でも、一般人である彼女はどうしてもそれを周りに言いたい。言ってはいけないルールだということは分かっているけれど……。だから、その男性アイドルのSNSに投稿されたのと同じ部屋で撮った写真を投稿し、その男性アイドルの熱烈なファンにそれを気づかせ、ひょっとしたらこの2人は付き合っているのではないか……と想像させるように仕向けるのです。

©iStock.com

 ちなみに、この女性がこうした匂わせ行為をするのは、人気男性アイドルと付き合っていることを周りに自慢したいのと、犬が自分のテリトリーを他の犬に示すために電柱におしっこをするのと同様、マーキングのためでもあります。

「間接自慢暴き」

 いずれにせよ、こうした「間接自慢」は、インスタの普及以来、「ゆとり世代」が今よりもっと若い頃から存在していました。

 しかし、「間接自慢」に気づいた人による「間接自慢暴き」が横行し、結果、周りから陰口を言われたり、炎上したりするケースが増加しました。

「間接自慢」による炎上で有名なのは、Z世代のタレントである井口綾子さん(1997年生まれ)のケースです。彼女がまだ大学生の折に「ミス・ミスター青山コンテスト2017」、いわゆる「ミスコン」に参加していた時の「スタバ事件」がよく知られています。