那智の滝、華厳の滝と並んで「日本三大神滝」の一つにも数えられる「布引の滝」。その滝を眼前にしながらのんびりとお酒を飲めるのが「布引おんたき茶屋」だ。……と、そう書くと険しい山道を登った先にようやく見つかる場所のように思われるかもしれないが、アクセスはかなり便利である。
新神戸駅から徒歩20分でたどり着ける至極の“酒場”
山陽新幹線の停車駅であるJR新神戸駅から徒歩20分ほどでたどり着けるのだ。ということはつまり、東京駅で新幹線に飛び乗って3時間後に「布引おんたき茶屋」で瓶ビールを飲むことも可能だということになる。
新神戸駅には神戸市営地下鉄も乗り入れているのだが、地下鉄の駅の案内板には新幹線と布引の滝が並んで表示されている。
そのままJR新神戸駅の構内を抜けて歩いていく。
駅から外に出ると布引の滝へ向かう方向が大きな文字で示されている。
JR新神戸駅のすぐ裏手には六甲山系の山々が迫っている。しばらく斜面を歩いていく。
5分も歩かないうちに石造の砂子橋(いさごばし)が見えてくる。
橋の上からの眺めはすっかり山あいの風景といった感じで、さっきまで駅の構内を歩いていたとは思えないほどである。
布引の滝は「雄滝(おんたき)」「雌滝(めんたき)」「夫婦滝(めおとだき)」「鼓ヶ滝(つつみがだき)」という4つの滝の総称だ。このうち、一番規模が大きいのが雄滝。急な石段を登って一気に雄滝を目指すルートもあるが、ここは焦らずに雌滝の姿も目に入れておこう。
しばらく歩いた先に雌滝が現れた。水量は少なく控えめな滝ながら、周囲の木々と調和している様がなかなか美しいではないか。
さて、雌滝から雄滝を目指すには、先ほどは選ばなかった急な石段に途中から合流して上っていくことになる。
はあはあと息を切らしながら頑張って歩くとようやく雄滝が見えてきた。
取材時の雄滝にはゴウゴウと音がするほどの迫力はなかったが、ごつごつと荒々しい岩肌の間を滑っていくように滝が流れる様子が綺麗だった。