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2020/11/21

genre : ライフ, グルメ

「あと少しで冷たいビールが飲める!」

 ここまで来ればもう一息である。もう少しだけ石段を上って歩けば目的地の布引おんたき茶屋だ。

「あと少しで冷たいビールが飲める!」と思いながら歩く

 テーブルとベンチが置かれたスペースが現れ、緑色の地に白い文字で「おんたき」と染め抜かれたのれんが見える。

創業はなんと大正4年。100年以上の歴史を持つ「布引おんたき茶屋」

 六甲山系の登山ルートの途上にあるため、登山者向けの売店としても利用されている。

飲料やスナック菓子などを買っていくこともできる
登山者たちが思い出を書き残していったノートが何冊もある

 もちろん、ここは腰を落ち着けてゆっくり休んでいける場所でもある。「おでん」「鍋うどん」「焼きそば」「出し巻き玉子」などの軽食類に、「お酒」「焼酎」「ビール」とアルコール類もしっかり用意されている。

あれもこれもあるという感じではないけど、これ以上何もいらないようなメニュー

 まずは大きな鍋の中のおでんと瓶ビールだろう。

今日は朝からたくさん売れたとのことで、なんとかギリギリ残っていたおでん
瓶ビールだけでなく、缶ビール、缶チューハイもある

 おでんの厚揚げと玉子、そして瓶ビールをいただきつつ私が腰をおろしたのは滝を眼前に眺める特等席である。

ビールを注文すると小鉢がサービスされて嬉しいことこの上なし

 これまで様々な席に座ってきたが、この絶景カウンター席が一番好きかもしれない。

ビール瓶の向こうに白糸のように流れる滝が見えるだろうか

 石段を上ってきたばかりだから冷えたビールが喉を通る爽快感もひとしおである。

開放感をいっぱいに味わいながら飲むビールはなんて美味しいんだろう
「煮崩れてしまったので」とサービスしてくれたおでんのジャガイモは口の中で溶けるようだった

 見上げれば、色づく葉の向こうにロープウェイが見える。

新神戸駅近くから神戸布引ハーブ園まで運んでくれるロープウェイだ