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「中国に夜逃げされました」新大久保の不動産オーナーが語る“ヤバすぎる”入居人事件簿

2020/11/24
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夜逃げされた!中国に!

 年の瀬のある日、管理会社から妙な時間に連絡が入りました。設備の破損でもあったかなと考えたのですが、担当者さんの様子が只事ではありません。なんと入居者さんが勝手に中国に帰ってしまったと言うではありませんか。なんやねん勝手に帰ったって。国際夜逃げやんけ。

 詳しい話を聞いたところ、入居者さんの友達を名乗る中国人から「○○くんは中国に帰りました。カギはポストに入れてあるそうです」という電話があり、現場に駆け付けてみると部屋はもぬけのカラ。原状回復工事の請求どころか、契約が残っている日数分の家賃もぶっちぎって帰国したようです。

部屋はもぬけのカラ ©あらいちゅー

泣き寝入りするしかない実情

 腹が立つので中国まで取り立てに行ってやろうかと思ったのですが、飛行機代で足が出るので早々に泣き寝入りを決め込みました。幸いにして残置物がまったくなかったので(大家は残置物を勝手に処分できないので夜逃げされるとダメージが大きい)、原状回復のコストや再募集までの期間もそれほどではなく、15万円程度のダメージで再募集をかけることができました。

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 そして次に決まった入居者さんも中国人です。

 周りからは「入居者は選んだほうが」と言われたのですが、日本人でも夜逃げする人は夜逃げしますし、新大久保の住民として国籍で他人をああだこうだとは言いたくなかったので、前回同様に賃貸保証会社を通す条件で再び外国人もOKとしました。ところがまたまたトラブルが発生します。

大変です、壁に穴が開いています!

 新しく入居してくれた中国人は家賃の滞納もなく、大家としては大変ありがたい優良な入居者さんでした。そして3年ほど経ったある日、帰国するということで本人からの解約通知を受け取りました。

リフォーム担当者から知らされた衝撃の状態 ©あらいちゅー

 もろもろの手続きは管理会社さんにお任せして、原状回復費用などの精算をして解約は完了。リフォームして次の入居者さんを募集しよう…と思ったところで事件です。管理会社のリフォーム担当者から「壁に穴が開いています!」という信じられない連絡が入ってきました。退去時の立ち会いではわからなかったようなのですが、なんと壁紙の後ろで壁がボロボロに崩れており、巾木や壁紙をはがすと穴が開いていたとのこと。