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「中国に夜逃げされました」新大久保の不動産オーナーが語る“ヤバすぎる”入居人事件簿

2020/11/24
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穴が開いた理由に仰天…

 破損部分は水を含んでいるそうで、ほじるとボロボロ壊れて穴が大きくなります。はじめは隣にあるユニットバスからの漏水が原因かと考えたのですが、給排水部分には異常ありません。また壁の天井側ではなく床側から崩れているので、「上階の漏水ではありません。何らかの原因で床から毎日のように湿気を吸い込んだのではないでしょうか」というわけのわからない見立てでした。

触れるだけでボロボロ壊れる壁 ©あらいちゅー

 Twitterで仲良くしている大家仲間に意見を求めても諸説紛々で、「蒸籠をおいて点心を毎日のように蒸していたのでは」とマジレスされる始末。結局、関西のベテラン大家さんが「全員ではないですが、中国人の入居者さんは床に水を撒いてモップで拭き掃除をするんですよ。本国の不動産は床がタイルですからね。私の物件では水拭きをしないよう入居前に注意しています」といった旨のことを教えてくれました。なるほどなあ…。

半年分以上の家賃がリフォーム費用で吹き飛んだ

 というわけで一応の原因はわかったのですが、退去立会いを済ませているので今から請求をするわけにもいきません。最終的に大家負担で壁を作り直すことになり、リフォーム費用のご請求は驚きの50万円。半年分以上の家賃が吹き飛んでしまいました。悪意ではなく生活習慣の違いなので怒る気にもなれず、ため息をつくほかありません。

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見積書に記された金額に肩を落とす ©あらいちゅー

 ワンルーム投資は堅実で、キャッシュアウトのリスクもそれほどないと思っていたのですが、現実ではちょっとしたことで数十万円が吹っ飛んでいきます。どんな投資でもそうですが、予備資金のない人はもっと堅実な商品を買ったほうがいいですね。

トラブルにめげず外国人OKで再度募集!

 また余談ですが、度重なるトラブルにもめげず、次も外国人OKで賃貸募集をかけました。私は色々な国籍の人が共存している新大久保の街が好きなので、自分の物件にも色々な国の人に住んでもらって、日本の生活を楽しんでもらいたいと思いますし、そもそも大家・管理会社・入居者さんがともに学んでいくことで、賃貸のトラブルも減らせると思っているからです。

 また新大久保に限らず、これからは日本全国で外国人の入居者さんが増えていくと思います。日本人に限る、といった考え方では経済的にも成り立たないと考えています。最近は外国人専門の賃貸保証会社があり、入居前のレクチャーでトラブルを未然に防いでくれたりもしているのですが、この話はまた別の機会に…。