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11種類すべて“つけ蕎麦”で、9種類は鶏白湯スープを使用

 11種類、すべてつけ蕎麦である。しかも、返しと鰹節などの出汁を使った「そばつゆ」を使っているのは「もり蕎麦」、「青森県産とろろと八ヶ岳卵のつけ蕎麦」だけ。9種類は鶏白湯スープを使用していることに気が付いて、少し驚いた。

 現在、営業休止中の麹町の「そばうさ」でさえ、つゆのベースは「そばつゆ」を使っている。虎ノ門にあった伝説の店「港屋」もそうであった。

 メニューのラインナップをみると、商品開発には相当な時間と試行錯誤をかけたであろうことがうかがえる。『箱根そばさん、やりおるな』などとつぶやいていると、5分と待たず、「豚胡麻だれつけ蕎麦」が登場した。

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「豚胡麻だれつけ蕎麦」(1,050円)

「豚胡麻だれつけ蕎麦」のビジュアルを紹介しよう。白く大きめのどんぶりに、海苔、沢山の白胡麻、太めのメンマ、豚ばら肉、沢山のねぎ、糸唐辛子が配置され、中心に味玉が添えられていて、そばはまったくみえない。一見、中華つけめんのようなビジュアルである。

お店の方イチオシの「豚胡麻だれつけ蕎麦」(1,050 円)

 そばを引っ張りだしてみると、いわゆる田舎そば系のごわっとしたタイプである。そしてつけ汁をひとくち飲んでみると、温かいつけ汁で、鶏白湯スープに濃厚な胡麻だれを合わせて、赤いラー油が少しだけ浮いている。まず、そばと豚ばら肉をつけ汁に入れて食べてみる。

温かいつけ汁で、鶏白湯スープに濃厚な胡麻だれを合わせて、赤いラー油が少しだけ浮いている
白く大きめのどんぶりに、海苔、沢山の白胡麻、太めのメンマ、豚ばら肉、沢山のねぎ、糸唐辛子、中心に味玉が添えられている。その下に冷たい田舎そばがある
濃厚な胡麻だれが田舎そばに絡んでうまい

 ツルっとした中華麺と違い、田舎そばは胡麻だれをうまく纏って、つけ汁を持ち上げている。そばは一般的に濃厚な食材と相性がいい。胡麻だれや胡桃だれは当然合うわけである。これはなかなか良い味である。

 食べていると、田舎そばにのる具材が中華系なので、なんだか和中融合した不思議な感覚に襲われた。いろいろ、具材と田舎そばをつけ汁に入れて楽しんでいると、そば湯をもってきてくれた。『胡麻だれにそば湯』は初体験だ。でもこの胡麻だれのそば湯割りもすごくうまい。味がまとまっていて濃厚なあと味だ。