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「ととのう」を医学的に説明できますか? サウナーが学ぶべき“サウナ基本のキ”

2020/11/22
note

水風呂には何分入れば良い?

 変化を読み取るためにも、サウナへ入る前に、軽く運動したときの1分間の脈拍数を測っておいてください。その心拍数とともに同じテンポの曲も覚えておきましょう。

 サウナ室に入ったら、あぐらや体育座りなど、できれば両脚を上げて座ってください。体の末端まで温められます。そして、脈拍を測りましょう。12分計や砂時計などありますが、必要ありません。自分の脈拍に集中しながら、お気に入りの曲を脳内で再生します。心拍数が曲のテンポと同じくらいに上がったら、水風呂へ移ってください。

 水風呂も大事なプロセスですので、きちんと行っていただきたいです。緊張を和らげるためにも、深呼吸で大きく息を吐きながら入りましょう。急激な温度変化により失神などヒートショックを起こしやすいので、慣れない人は水風呂にいきなり入ってはいけません。水あるいはぬるま湯で汗を流しながら、全身を低い温度にゆっくり慣らしてください。水風呂が苦手な方は、水シャワーだけでもかまいません。

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加藤容崇氏(日本サウナ学会代表理事・慶應義塾大学医学部特任助教)

 水風呂は、1分経ったら出てください。理由は、血液が体内を1周するのが1分ほどだからです。それ以上は体の中心部が冷えてしまうので熱くなった体表だけを冷まし、体の中心部は温かさを保ってください。

サウナと水風呂だけ往復するのはNG

 最後に、休憩を取ります。水風呂後の1分間~2分間は「ととのう」状態になりやすいです。体が冷えないように水気をよく拭きとって、速やかに休んでください。休む場所は屋外が理想的ですが、スペースがなければ、脱衣所の扇風機前でもかまいません。

「ととのう」を堪能したら、さらに5分ほど休み続けましょう。サウナから水風呂へと目まぐるしく変わる環境に適応した体を休ませてください。忘れず水分も補給しましょう。