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「ととのう」を医学的に説明できますか? サウナーが学ぶべき“サウナ基本のキ”

2020/11/22
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 休まずにサウナと水風呂だけを往復する方がいますが、体に必要以上の負担をかけるばかりか、「ととのう」効果も得られません。サウナ→水風呂→休憩を3セット繰り返せば、体の深部までしっかり温まり、心身の疲労が十分に回復されます。

 自律神経を測定した私の実験では、4セット以上行うと、一度上がった自律神経の機能が逆に低下し、ふらふらになってしまう方がいました。3セットが適切と考えますが、ご自身の体と相談しながら慣らしていくのがベストです。

コロナ禍における新マナー

 人気のサウナですが、構造上換気が制限されていて、対人距離も取りづらい環境です。コロナ禍で利用する際には、特に「手・顔」と「空気」への対策も心がけてください。

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「手・顔」については3点。みんなが触るところを触った手で目鼻口に触れない、飲食しない、唾液や鼻水が浮いていることがあるので水風呂に潜らない。「空気」はソーシャルディスタンスがもっとも重要です。マスクも大切ですが室内では着用できません。タオルで口元を覆う、会話を控えるなど飛沫を避けましょう。

 日本サウナ学会ではコロナ対策をきちんと講じている施設を公開しています。学会ホームページか、「湯ノ国」というアプリをチェックしてみてください。

 サウナは正しい知識をもって利用すれば素晴らしい活力を得られます。サウナを通じて多くの人が元気な毎日を送れるように願っています。

出典:「文藝春秋」12月号

 加藤容崇氏(日本サウナ学会代表理事・慶應義塾大学医学部特任助教)による「本当に健康に良い『サウナ―』入門」は「文藝春秋」12月号および「文藝春秋 電子版」に掲載されています。

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本当に健康に良い「サウナー」入門
「ととのう」を医学的に説明できますか? サウナーが学ぶべき“サウナ基本のキ”

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