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コロナ対策の手詰まり感・待ったなしで感染が広がる現実

 これを自民党支持者は「ガースーありがとう」となり、野党支持者は「この無能政権め早々に倒れろ」と右と左に分かれて大論争になるわけでございますが、いざ状況が悪くなり、具体的にコロナ感染者数だけでなく重症者数も増えて医療機関のベッドがどんどん埋まって大変なことになったぞとなると、責任の押し付け合いが国家と都道府県知事の間で勃発するのも我が国の新たな伝統行事となったのでありまして、五輪どころじゃなくなっている昨今本格的な政争へと発展していくわけであります。

 正直、臨床レベルでは当然のことながら国民に「接触機会を減らせ(外出するな)」「手を洗え」「マスクをしろ」「密になるな」という話をする一方、公衆衛生レベルでは言われているほどコロナ検査数は増えず、追跡しきれない感染者の割合も大きくなってコロナ対策の手詰まり感が強くなります。ぎゅうぎゅう詰めでもマスクをしていて、大声で喋ったり歌ったりしない満員電車はそれほど感染源とはならない割に、ススキノで本番サービスをやったり老人会でカラオケ大会でも催されようものなら待ったなしで感染が広がる現実に国民は慄くのであります。

©️iStock.com

コロナは怖いんだけど、予約しちゃって解約できない

 こうなると、どう評判や威信に傷をつけず、支持率を下げないようにしてそっと看板政策であるGo Toを降ろすのかが大事になってくるわけですけれども、残念なことに「コロナ感染が冬に向けて再拡大しかねないことは予見されていたのに、Go To政策を見直す準備はなされていなかった」ようです。

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※写真はイメージ ©️iStock.com

 結果として、この3連休はあまり外出させないようにしなくては感染がさらに拡大する危険があったにもかかわらず、Go To政策を一部降ろすのに手間取ったばかりか、国民からすればGo Toの見返りよりも痛い「直前キャンセル料」に対する補填もなされないため、感染が広がっていることを知りながら予約してしまった旅行は決行するという選択を取る人多数になったのです。

 いや、まあ、コロナは怖いんだけど、予約しちゃって解約できない旅行はそりゃ行くわね。