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もう全体的にこれはもう駄目なんだろうなというモード

 要は、政策的に五輪や移民、インバウンド観光など「やりたいこと」はたくさんあるけど、コロナのお陰で全部ダメになっていくプロセスを私たちは見ていて、菅さん以下アテが外れて呆然としながらも徹夜して弥縫策を考えているという残念な敗戦模様を演出していると思うんですよ。

 でも、負けを認めたら支持率も下がるし政権も倒れかねないので、精一杯突っ張りながら「大丈夫です! 大丈夫です!」と言っているところに西浦博さんは「Go Toのお陰で感染が広がったっすね」と涼しい顔と頭髪で事実を突きつけ、大阪は大阪でイソジンだワクチンだと馬鹿なことをしているし、和解したはずの小池百合子さんは「国のせいだ」「バーカ」と煽ってるし、もう全体的にこれはもう駄目なんだろうなというモードになっちゃっているのが痛いですね。

 国民がマスクしてくれるし外出もまあまあ控えてくれるので、諸外国よりは感染の程度がマイルドなのが救いですが、日本のこれからがどうなるかは誰にも分かりません。

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小池百合子都知事 ©︎文藝春秋

「駄目だったときの政策も考えておきましょうよ」

「経済を回しながらコロナ対策をやる」ことについては、夏ごろから有識者は口をそろえて対策を強化しようと言い続けてきていたわけで、まあ手遅れになった部分は仕方ないけれども、これからでも意味のある活動を推し進めて感染拡大で亡くなる人、後遺症で悩む人が一人でも少なく済むといいなと思います。

 それもこれも、菅義偉さんが官房長官時代から肝いりで進めてきたGo Toは、政策として確かに必要だったのは間違いないんだけれども、それがコロナ拡大で駄目だとなったときに早々に次のプランに移行できるような、そういう仕組みがあったほうが良かったんじゃないですかね。

©️文藝春秋

 もちろん、仕える側の人が「大将、その政策は素晴らしいんですが、駄目だったときの政策も考えておきましょうよ」とか言うと、「おまえ、俺の考えてるプランが駄目だったときなんて考える必要があると思ってるのか」とか言い返されると、やっぱこう、スガーリン的な展開が起きたりするものなんでしょうか。

 宮仕えってホント大変ですね。

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