多くの業界が年末商戦に年間の売上を依存
当然、医療関係者は政府の無策にブチ切れたり呆れたりしているようですが、政治的な混乱はこれからが本番なんじゃないかと思うんですよね。世間的にはジャブジャブにおカネが供給されているので、29年ぶりの日経平均高値とかやってますけれども、足元では有効求人倍率は下がり、おそらく冬に向けて倒産件数も増えて具体的な不況がドーンとやって来る可能性も否定できません。景気は悪いのに株価だけ上がっていくとか、これってどういう経済なんでしょう。
ハロウィン商戦が不発に終わるのは仕方がないとしても、年末商戦に年間の売上を依存している業界は多く、とりわけ忘年会シーズンでキャンセルどころかまったく予約の入らない駅前居酒屋のような業態を中心に本当にどんどん死んでいくことになりかねません。
そして、経済苦を理由に自ら命を絶ってしまう人も増えてきました。自殺者数を減らすためにもGo Toを継続しろという話はありますが、常識的にはGo Toで一息つける人がいたとしても、税金投入がどこかで止まったらその人も死んでしまいます。本来は事業に行き詰まって借金を抱えてしまっても、死ななくてもよい制度を作るほうが大事なんじゃないかと思うんですけどね。
民主主義の恩恵を受けて自由に発言してきたけれど
そういうことになってしまったのは政治が悪いからだ、と政権批判をするのは簡単ですが、それまで馬鹿だ無能だと罵っていた中央官庁の官僚の皆さんや官邸詰めの政治家が織り成す政策にぶら下がるしかない人たちが実は多かったこともまた事実だったと思うんですよ。中国みたいな専制政治だったら感染者は全員隔離しちゃうからさっさと流行おさまって感染症の問題など起きなかったのに、と民主主義の恩恵を受けて自由に発言してきたメディアが「中国を見習え」的な話までしかねません。
さらに言えば、外国からの入国制限が緩和になり、9月に比べて10月はほぼ倍増の2万7,000人あまり、約半数がベトナム、中国、韓国からの来日者で、国内ではGo Toを絞らなければならんような状況なのに海外からは入国制限緩和を続けて本当に大丈夫なのかという議論も今後は出てくるのではないかと思います。でもたぶん、入国は絞らないんじゃないかと思うんですよね、オリンピックもあるから。