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2020/12/05

source : 文春新書

genre : エンタメ, 社会, 読書

手紙に書かれた母への愛

 【今日の公判は最悪だー。心に穴があいてしもうたよ、夫と母親にすごいこと言われて自分がみじめになってきた。手紙がなかったら自殺もんでした。ほんとに死刑になって死んじまうなら自分で自分の命をたつ、それか自分の友人か家族に殺してもらいてーと何度も思った。まーよくよく考えるとこれも自分がやった過ちなんだけどねー、でもこの人たち(本村さんち)は死を理解してないんだろうね……それは法ていの場で本村さんの夫の人が僕が実刑判決とかだったらいずれ出たら僕を殺すんだって言っていたよ……なんだか人間ってわかんねーよな人間カーとなったら後のことなんてかんがえねーもんな……僕は母親の死に直面して死というものが中一のときにわかんなくなっちゃってゆくゆくこのざまさ、小さいとき(子供)の記憶ってえのはすごいもんだよーこのことで僕は父にはんぱつして学校でわかかってそして殺人だもんなーこんなことたぶん一回殺人をおかした人でないと僕の気持ちはりかいできねーだろうなーまー将来人の命を救うボランティアみたいな仕事につきてーな、これからは親にたよらず自分で一走一走そして一足一足そして一歩一歩大切にいこうと思う。人間の命は一つだけどつかいかたによれば何百もすくえるもんなーこのことを一生忘れたくない】

 【涙だけはいつもだしてたなー、腹立つと出るし、悲しいと出るし、助けてくれーも出るし、人が死んでも……でないのよー、オレの母さんが死んだとき悲しさとーりすぎてね!   ……あれって、ほんとに愛しているときは出んのんよたぶん】

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 【俺は、死ぬか、10年~20年の暮らしをおくるわけだが、できれば生きてーな、俺の眼で見れるかぎり世の中を見てやる!   そして、気狂いと言われるかもしれねーが……生命の息吹を聞きてー、あと、四季のうつり変わりがな】