新型コロナウイルス感染拡大の第3波を受けて、マスクを着けることで起きる「肌のトラブル」に悩む人が増えています。
コロナ禍の初期の春先にも、「マスクによる肌荒れ」が話題になりました。しかし、昨今増えている肌荒れは、この時とは少しばかり事情が違っているようです。
対策はあるのでしょうか。
マスクで起こる肌トラブルは3つある
マスクを着けていることで起きる肌の症状は、大きく3つ。マスクの刺激によるかぶれ、蒸れることでのニキビの悪化や雑菌の繁殖、そしてそれらに伴って発生する皮膚炎だ。
これらはいずれも春先に起きた症状と変わらないのだが、原因が微妙に異なるという。東京都品川区にある羽尾皮フ科クリニック院長の羽尾貴子医師が解説する。
「春先から夏にかけては、マスクによって蒸れることが原因の肌荒れが多かったのですが、秋以降は“乾燥”がベースにあってのトラブルが増えています」
それが本当にマスクのせいなのかと言えば、これは間違いないようで、昨年までは何の症状もなかった人が、コロナ禍でマスクを着けるようになったことで、症状が出るようになっている。中にはマスクの当たるところの肌だけが、マスクの形に沿って荒れる人も少なくないとか――。
かぶれは、最初は皮膚に赤みが出て、そのあとで細かな「ブツブツ」ができていく。雑菌の繁殖による皮膚炎は、マスクが触れている部分を中心に真っ赤になっていく。鼻や口の周囲が特に荒れやすく、ひどい場合は「かさぶた」のような状態になることもあるという。
「ニキビの悪化は痛みが出ることがあるし、かぶれの場合は痒くなる。ただ、見た目は明らかに肌が荒れているのに、痛くも痒くもならない人もいる。症状は様々です」(羽尾医師、以下同)
こうなると医療の介入、つまり“治療”が必要になってくる。塗り薬などを使って様子を見ることになるが、雑菌の繁殖がひどい時には抗生剤の内服が必要になることもある。マスクという発症因子を着け続けながらの治療は、どうしたって長引いてしまう。