肌トラブルに負けない3つの方法
対策としては、肌の弱い人はマスクを長時間着けないことに尽きるのだが、この状況ではなかなかそうもいかない。こまめに取り換えることも大切だが、春先に深刻なマスク不足を経験しているだけに、以前のようにポイポイと使い捨てにするのも勇気がいる。
「昨日と同じマスクをそのまま使うことだけは避けたいですね。洗えるマスクなら半日ごとに交換して、使い終わったマスクは洗濯すること。ただ、洗剤や柔軟剤が残っていると、それが原因でかぶれを起こしてしまうので、よくすすいで、よく乾かしてから使ってください。使い捨ての不織布マスクの場合は、マスクの中にガーゼやハンカチなどのインナーマスクを入れるなどして、これをこまめに交換するだけでも肌へのダメージは軽減できます。特に会話をする機会の多い人は試してほしい」(前出の羽尾医師)
もう一つ、冬ならではの対策としては、「十分な保湿」がある。こまめにスキンクリームを塗るなど、肌の保湿をきちんとしておけば、肌のバリア機能が保たれる。結果として、マスクの擦れや雑菌によるダメージも軽減される。
ひげ剃り痕が痛む男性は、剃ったあとだけでなく、日中も夜間もこまめな保湿を心がけたい。
「マスクをしていれば保湿はOK」と考えるのは誤り。呼気による保湿は、雑菌による保湿――ということを忘れないでほしい。
そう考えると、マスクをしているときも口は閉じて、“鼻呼吸”を心がけるべきだろう。
しかも、保湿はスキンケアだけの問題ではない。室内にいるときは部屋の湿度も十分に保っておくことが重要なのだ。
皮膚は空気の湿度の影響を過敏に受けるので、今年に限らず秋になると、乾燥性の皮脂欠乏性湿疹という症状が出る人が増える。これと同じことが今年、マスクに覆われている部分にもあてはまるのだ。
「乾燥した部屋でいきなりマスクを取ると、それまでマスクで覆われていた肌は、湿地帯から砂漠に放り出された状態に陥ります。そうなると、皮膚の保湿成分が急速に失われて、水分が一気に蒸発してしまうのです。空気が乾燥したところで唇をずっと舐めていると、かえって乾きやすくなるのと同じ原理です」(羽尾医師)
家に帰ったら…
外から帰ったら、まず手洗い。そのあとは部屋の湿度を確かめてからマスクをはずし、肌に充分な潤いを与えるスキンケアを怠らないようにしましょう。
乾きすぎてもダメだし、たとえ潤っていたとしても雑菌まみれの呼気による湿気ではNG……。
コロナ禍の影響で、マスクの下のお肌は悲鳴を上げているのです。
労わってあげましょう。