韓国社会でタブー視されている「未婚出産」を選択した韓国在住の日本人タレント、さゆり(本名・藤田小百合、41歳)の行動が、保守的な韓国社会で大きな反響を呼んでいる。

 未婚のまま人工授精を受けて、出産に至るまでの彼女のストーリーは、いま韓国社会から大きな関心を集め、彼女のインタビューを報じたKBSのYouTubeニュースは歴代17番目となる245万再生を記録した。

 この報道を機に、韓国の各界から歓迎や祝賀メッセージが相次ぎ、未婚女性の出産、女性の人権をめぐる議論が政界に広がっている。

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さゆりの独占インタビューを伝える韓国の公共放送KBS

視聴者の予想を超える下ネタや辛辣な発言

 日本人には馴染みのない彼女だが、韓国では最も有名な日本人タレントだ。

 さゆりは、1979年に東京で生まれ、子どもの頃は英国でも過ごした。大学時代は米国に留学。その時に付き合ったカレが韓国人だったことで、韓国への留学を決めたそうだ。韓国で語学スクールに通っていた2007年、外国人出演者を募集する番組に応募し、韓国で芸能界デビュー。現在では、リポーターやコメンテーターとして様々な番組に出演する人気タレントだ。

「女優のユミン(笛木優子)や藤井美菜、モデル出身の矢野志保(SHIHO)など、韓国で人気の出た日本の女性芸能人は、美しい外見で人気を博したが、さゆりはどこに飛んでいくか分からないような突拍子もない姿が韓国人たちから大反響を呼んだ。外見は、ユミンのようにおとなしくて女性らしく見えるが、いざ口を開けば視聴者の予想を超える下ネタや辛辣な発言が飛び出す。こうしたギャップが彼女の魅力を引き立て、彼女がデビューした番組『美女たちのおしゃべり』でトップ3と言われるほどの人気を集めた。この番組をきっかけに、リポーターとして活動するなど、いくつかのレギュラー番組を持つ幸運を得ました」(芸能専門メディア記者)

さゆり ©️getty

「さゆりの話は信用できる」とまで言われる4次元キャラ

 さゆりがデビューした「美女たちのおしゃべり」とは、日本で旋風を巻き起こした「恋のから騒ぎ」(日本テレビ系、1994~2011年)のコンセプトに似た素人女性たちを集めた番組だ。

 韓国に住んでいる外国人美女たちがスタジオに出演し、毎週テーマを決めて韓国社会について話し合うトークバラエティで、2006年から2010年までKBSテレビで放送され、最高視聴率16.7%を記録した人気番組だ。数多くの外国人タレントを輩出したが、競争の激しい韓国芸能界で現在まで人気を持続させて活動しているのは、さゆりぐらいしかいない。