子育て後に女性の人生は2つに分かれてしまう――新刊『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』の著者・ボーク重子さんはそう言います。女性が輝く時代と言われながらも、未婚・既婚・専業主婦・ワーキングマザー・パート・フルタイムなど、それぞれの立場で生きづらさを抱える女性たちはどうやって人生を歩んでいけばいいのか。ボークさんは生きづらさを感じたとき「離婚する自由」も現代を生きる女性にとって大事な選択肢の1つとして提言しています。(全2回の1回目。後編を読む)
「離婚」も選択肢の1つ
ライフコーチとして日米を問わず多くの女性たちと接していて思うのは「女性が離婚を選べるようになった」ということです。ですから、私は離婚を選択した女性に必ず「おめでとう」と言っています。なぜなら離婚は人生100年時代を生きる女性にとって時に必要な、そして可能性を広げる選択肢だからです。
離婚が選択肢になる理由は3つあります。(1)人生モデルの変化、(2)「逆モチベーター夫」の存在、(3)経済的自立です。私たちの上の世代には離婚という選択肢はあったとしても、選ぶ人はあまり多くありませんでした。それは女性の人生は「母」「妻」や「娘」という役割を全うすることで、そのために「耐える」「愚痴る」「諦める」という文化があったからです。夫や子どもを支える身として辛いことは我慢して耐える、文句は言わずに女性同士で愚痴る、経済力がないので生きるために諦める――。
でも、社会は変わりました。現代を生きる女性には離婚が選択肢になる3つの理由があります。
離婚した女性や離婚を考えている女性たちの人生設計をお手伝いしていると、この3つの理由は、離婚に限らずこれからの女性が生きていく上で考えることがどれだけ大切かを痛感します。
この3つの理由について自分なりの答えを持つことは、人生を最高にエンジョイするための鍵です。
離婚が選択肢になる理由1:人生モデルの変化
これまでの女性は「いい娘」として育ち、結婚して「いい妻」になり、「いい母」として子育てをして、子どもが一人立ちした後は余生を過ごして一生が終わっていました。
しかし、現代に生きる女性はその「いい娘・いい妻・いい母」モデルとは異なる人生プランを迫られる、はじめての世代と言っていいでしょう。