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人生100年時代こそ、「離婚」が選択肢になる3つの理由

2020/12/10

source : ノンフィクション出版

genre : ライフ, ライフスタイル, 社会, 働き方, 読書

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 よく巷で言われる「人生100年時代」。50代で子育てを終えても、その先30年、40年、50年という大きな時間が残っています。だからこそ現代を生きる女性は従来の役割を生きるモデルとは異なる人生プランを迫られているのです。

 もし人生が65歳や70歳で終わるとしたら、子育てを終え、一息ついて、それで一生は終わってしまうかもしれません。夫との関係が多少ギクシャクしていても、「自分の人生」なんてものがなくても、それなりに過ごしていれば、人生の終わりは比較的早くやってきます。

「お母さん」の後も人生は続いていく

 でも、今は違います。子育て後には多くの時間が待っています。私たちはその時間をどう生きていくか考えなければなりません。従来のように夫のお世話をして終える一生もありかもしれませんが、それを50年も続けられる女性が今時どれだけいるでしょうか? それは女性がふつうに社会で活躍する時代を生きる現代の女性にとっては苦痛でしかないのではないでしょうか? だからこそ女性はどう生きていくかをよく考えないといけません。

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 危険なのは役割だけに没頭する人生前半戦です。なぜなら子育てが終わってから、いきなり自分の人生を再稼働させようとしてもハードルが高いからです。社会はどんどん変化しています。それに合わせて自分も情報やスキルそして興味をアップデートしていかなければ社会に置いていかれて「私の人生一体なんだったの」ということになるでしょう。

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 そこで必要になるのが人生前半戦からの自分の時間です。人生100年時代を幸せに生き抜くにはこの準備が欠かせません。

 それは学ぶことかもしれないし、働くことかもしれない。いずれにせよ、従来の母・妻・娘以外の時間を作り、自分を育てていくことが必要です。

お世話係をするために生まれてきたのじゃない

 ここで問題が1つあります。それは自分時間を捻出するためにはお世話の部分が減るということ。そうしなければ物理的に無理だからです。自分の時間を捻出するには家事の時短やアウトソース、子どもを預けたりといったこともあるでしょう。

 ですが夫がそこを全く理解せず、応援しなかったら女性は役割だけの人生になります。「母親なんだから」「妻なんだから」の一言で全ての家事育児が女性の方にのしかかってくる。「支えて欲しい」「妻は家にいるもの」という一言で夫の願望を叶えるだけの役割を押し付けられる――。