子育て後に女性の人生は2つに分かれてしまう――新刊『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』の著者・ボーク重子さんはそう言います。女性が輝く時代と言われながらも、未婚 VS 既婚、専業主婦 VS ワーキングマザー、パート VS フルタイムなど、それぞれの立場で生きづらさを抱える女性たちはどうやって人生を歩んでいけばいいのか。ボークさんは「子育て後に何もないママ」になってしまった人の生きづらさと、そこからの脱出法があると語ります。(全2回の2回目。前編を読む)
友人とのランチに何時間も費やして空虚さをごまかす
「子育てが終わったら、自分はどうなるのだろう」とモヤモヤすることはありませんか? だけど家事育児とやることがいっぱいあって、忙しくて考えている暇がない。そうしてなんとなく不安を抱えながら毎日が過ぎていく。
そんな気持ちになったことがある方、こんな「子育て後」の未来を想像してみてください。
子どもと夫のお世話で毎日忙しかったのが嘘のように、子どもが巣立って行った後、家の中は静かになります。けれど時間もエネルギーもたくさんあります。そこで、あまりやることもないから友人たちとしょっちゅう集まっては3時間かけてランチをする。そのくらい時間をかけないと1日が終わってくれないからです。そして待ちに待った週末になるといそいそと一人立ちした後の子どもに会いにいく――。
「ママもなんかしたら?」と言われて「仕事でもしようかなあ」と思うけど、子育てに専念していたから、働き手としての経験もスキルも止まったままです。職探しをしていると心が折れそうになる現実を突きつけられます。
働き続けてそれなりに出世している夫の妻として、多くの人は社会的には同じポジションやステータスにあると思い込みがちです。けれど、社会的評価は残酷なもので夫は夫、妻は妻。家庭のために自分の人生を止めていたことで、スキルも情報もアップデートされていない自分の働き手としての市場価値にそこで初めて気が付くのです。
仕事を再開しても「なんでこんなレベルから始めないといけないの」と納得がいかないし、やりたい職に就くこともなかなか難しい。正社員なんて夢のまた夢。それ以前に社会の変化についていけない。それで結局諦める。
何か好きなことを始めようと思っても、家事育児で忙しくて好きなことや、やりたいことを考える時間がなかったから、結局何をしたいかが自分でもわからない。そうして特に打ち込むこともなく、長時間のランチを繰り返し、モヤモヤを抱えながら生きていく――。