将棋のプロである女流棋士。最近ではテレビ番組やネット番組で目にすることが多くなってきました。しかし、将棋の対局以外に、彼女たちがどんな仕事をしてどんな生活を送っているの? そんな謎に包まれた職業、女流棋士の日常に“観る将漫画家”のさくらはな。さんが密着!
“えりりん”こと山口恵梨子女流二段の対局、イベント、取材などの仕事から、旅行や食事、学生時代の過ごし方などのプライベートな日常まで、そのすべてを追ったコミックエッセイ『山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々』(竹書房)の試し読みをお届けします。
――この本は、さくらさんが山口先生への取材を通して作ってきたんですよね。
さくら そうですね。喫茶店や会議室でお話を聞いたり、一緒に将棋会館に取材に行ったりもしました。最近は、Zoomでお話を聞くこともあります。
――本のなかでは、いろんなエピソードが紹介されていますが、印象深い話やオススメの話など教えてください。
さくら 私は、イベント運営を通じてわかる女流棋士の得意分野の話です。
――鈴木環那女流三段は梱包が得意。藤田綾女流二段はパソコン入力がとてつもなく早いと紹介されているところですよね。
さくら 山口先生は、交渉事を得意とされているのですが、それを表現するために目をグルグルにしてみました。
とあるホテルのイベントで、お酒を会場に持ち込む交渉をした山口女流二段。本来なら有料のところ「無料で」と交渉するその目がグルグルしていて、見ているとつい「どうぞ」と言ってしまいそうになる。ぜひ交渉事が得意な山口女流二段の目をご覧ください。