©山口恵梨子・さくらはな。/竹書房
©山口恵梨子・さくらはな。/竹書房

 将棋のプロである女流棋士。最近ではテレビ番組やネット番組で目にすることが多くなってきました。しかし、将棋の対局以外に、彼女たちがどんな仕事をしてどんな生活を送っているの? そんな謎に包まれた職業、女流棋士の日常に“観る将漫画家”のさくらはな。さんが密着!

 “えりりん”こと山口恵梨子女流二段の対局、イベント、取材などの仕事から、旅行や食事、学生時代の過ごし方などのプライベートな日常まで、そのすべてを追ったコミックエッセイ『山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々』(竹書房)の試し読みをお届けします。

振り駒は8回振ると先手が出る?

――発売から数日経ちましたが、読んだ人からの感想などありましたか?

山口 私は「鳩やぐら」さんの「肉豆腐山椒弁当」の美味しさについて語っているのですが、ぜひ食べてみたいと言われました。

さくら 私には、この本の中で紹介している「山口先生の振り駒が見たい」という声がありましたね(笑)。

――山口先生の密かな研究によると、振り駒は8回振ると先手が出るという話ですよね。これは、本当なんですか?

山口 本当ですよ! 私、めっちゃやりましたもん。

『山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々』より ©山口恵梨子・さくらはな。/竹書房
『山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々』より ©山口恵梨子・さくらはな。/竹書房

――ちなみに今、山口先生は、振り駒をされることはあるんですか?

山口 今でも、月に3回ほど記録のお仕事をしているので、そのときにしています。

――そのときは、この技は使ってない?

山口 8回振ると「歩」が出ると信じているので、絶対に8回だけはやらないようにしています。

さくら 何回にしてるんですか?

山口 最近は11回にして、思いっきり放り投げるようにしています。

「歩」を表にして手に握り、8回振れば出ますからね

――ここに駒があるので、実際に見せてもらってもいいですか?

山口 いいですよ。

さくら 山口先生は、振り駒がすごく早いんですよ。

山口 開始間際に来られる先生もいらっしゃるので、早く振ることも大事なんですよ。じゃあ、やりますよ。「歩」を表にして手に握り、8回振れば出ますからね。いち、にい、さん、し、ご、ろく、しち、はち!

(歩が3枚出る)

山口 ほら!

さくら おー!

 
 

――全部の駒が「歩」になるわけじゃないんですね。

山口 全部じゃないんですけど、「歩」が出やすいんですよ。

――いつ気がついたんですか?

山口 小学5年生のときですね。

――それは、誰がやってもそうなる?

山口 それはわからないですね……。やってみてください。

さくら では私が。

(同じように8回振ると「と」が3枚出る)

 
 

山口 あれ? 振り方が悪かったですか?

――ではもう1回。

さくら あ! 出ました!

山口 ほら!

さくら おー!

――(まあ……2回やれば1回は……。)

 
 
 
 
 
 

山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々 (BAMBOO ESSAY SELECTION)

山口恵梨子, さくらはな。

竹書房

2020年11月26日 発売

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