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2020年の言葉

2020/12/26

 最初からフワちゃんの様子がおかしかった。フワちゃんが「ローラに憧れている」と話を切り出すと、そんな話は聞いたことがないと中居と松本が疑問を投げかけた。すると、フワちゃんが「待って、自分のリズムでやらしてよ」と反論した。

 何気ないやり取りではあるが、ごく普通のツッコミに対して、フワちゃんが少し過剰反応であるようにも見えた。このときすでに彼女の表情は硬かった。

 フワちゃんは番組内でローラが言っていた「ピンポーン」という言葉を真似してみせたが、ローラの反応は薄かった。フワちゃんは「3分前に盛り上がったやつ、もう1回やったらウケるんじゃないの!?」と不満を漏らしたが、そんな笑いの基本原理すら通用しないほど、場は冷え切っていた。

 テレビに出る前のモデル時代からローラが好きだったと語るフワちゃんに対して、ローラは「わー、嬉しいな」と心のない棒読み口調で返した。

ローラ ©getty

なぜ2人は噛み合わなかったのか?

 その後、フワちゃんは果敢にボケを繰り出していったが、どれも空振りに終わった。約10分間のオンエアだったこの対談。放送できた範囲だけでこのスベりっぷりだったのだから、実際の収録現場はもっと地獄のような状況だったことは想像に難くない。新旧タメ口キャラ対決は、フワちゃんに苦い思い出を残すことになった。

 彼女たちが噛み合わなかった理由は、その共通点と相違点にある。ローラとフワちゃんが似ているのは、タメ口キャラという表層的なことだけではない。もう1つの隠れた共通点は、彼女たちが本質的に受け身の芸風であるということだ。

 ローラとフワちゃんは、持って生まれた奇抜なキャラを見せることで、共演者に驚かれたり、怒られたり、いじられたり、何らかの反応をしてもらうことによって成り立っている。自分から積極的にパンチを繰り出すタイプではなく、相手のパンチに合わせて拳を突き返すカウンターを得意とするタイプなのだ。

 しかし、2人だけで向き合って対談するとなると、どちらも相手が話しかけるのを待っているわけにはいかない。そこで、フワちゃんが自分から仕掛けざるを得なくなったのだ。