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ダウンタウン松本に「最悪や!」…M-1決勝進出・ニューヨークが進む“修羅の道”

2020/12/20
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「ダセェよなぁ」「ダサいっすね」

屋敷「『第7世代入れてほしい』『俺らがリーダーや』っていうみたいな、ダセェ出方しかできない」

 

若林正恭(オードリー)「ダサいと思ってんの?」

 

屋敷「ダセェよなぁ」

 

嶋佐「ダサいっすね」

“流血”する姿を晒しながらの反抗、毒舌、腐り――。長く続いたネクストブレイク期をフリにしながら、彼らは負け続けてきた者のルサンチマンを笑いに変える。かつての「1.5軍」は、自称「6.9世代」として輝きを見せ始めたのだ。

歌ネタ「ラブソング」を披露。サビの終わりに嶋佐が歌う「ラッキーボーイ」というくだりも耳に残る ©M-1グランプリ事務局

芸人たちが行き交うスクランブル交差点のようなYouTube

 ニューヨークを語る際には、YouTubeへの言及も欠かせない。2018年に解説された彼らの「ニューヨーク Official Channel」。動画はほぼ毎日アップされ、動画の総再生回数は5300万回に迫っている。今年11月に投稿した、NSCを当事者の視点から内在的に捉えたドキュメンタリー作品「ザ・エレクトリカルパレーズ」は、2時間強と長尺ながら評判を呼び、再生回数は43万回を超えた(12月16日時点)。

 彼らのチャンネルは、さながら芸人たちが行き交うスクランブル交差点。若手から中堅、大御所まで。無名から売れっ子まで。さらには吉本興業だけでなく他の事務所まで。数多くの芸人がゲストに招かれ、トークや企画を繰り広げる。そこを覗けば、芸人たちの“今”がわかると言っていいかもしれない。コラボ動画の多さは、芸人仲間から彼らへの信頼の高さを証しているともいえる。

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©山元茂樹/文藝春秋

ニューヨークがYouTubeに注力する理由

 なぜ、彼らはYouTubeに注力するのか。その理由を、屋敷は「賞レースだけを目指すのは、ちょっとリスクが高すぎる」からだと語る。

「1年に1回の(賞レースの)ためだけにずっと努力してるのは、だいぶ燃費悪いなっていうことで。それやったら、YouTubeみたいなんをもう1個がんばりつつ」(『ゴッドタン』2020年8月22日)

 M-1決勝の舞台に2年連続で立つニューヨーク。テレビ以外のメディアも活用しながら実績を積み上げていく彼らは、M-1が終わった後に何を見るのだろうか。そこに開けているのは「修羅」か、はたまた別の景色か――。彼らが目にする景色を知るためにも、彼らから目が離せない。

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