文春オンライン

2020/12/20

「電線音頭」「しらけ鳥音頭」が大ヒット

 小松さんは「電線音頭」が大ヒットする少し前、『必殺仕置屋稼業』(75年)に、藤田まことさん演じる中村主水の子分・亀吉役でレギュラー出演していた。番組終了後、同じABC/テレビ朝日系列である『みごろ~』で「電線音頭」が大ヒットしたために、『新 必殺仕置人』(77年)第15話に同じ亀吉役でゲスト出演。“電線”ならぬ「物干し音頭」を披露。主水に「近頃ホントに、何が流行るか分かったもんじゃねぇな」と言わせていた。それにしても時代劇で「電線音頭」のパロディをやってしまう辺りの縦横無尽さがすごい。

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 この小松さん人気を受け、やはり同じABC / テレビ朝日系列で放送された特撮ヒーロー番組『ザ・カゲスター』(76年)にも主人公たちの上司・神成部長役でレギュラー出演。「ズンズンズンズンズンズンズン」などの持ちギャグも披露していた。この『カゲスター』は月曜夜7時から7時半の放送。8時からは『みごろ~』が始まり、つまり週頭の月曜の夜から“90分も”小松政夫を堪能できる時間帯となっており、当時の小松さんの大ブレイクぶりが窺(うかが)えよう。

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 そういう意味では純粋な小松さんの最初の大ヒット曲は「しらけ鳥音頭」ということになる。“しらけ鳥”という文字どおりのキャラのパペットを右手に装着。小松さん演じる政太郎がコタツの上に立って、「し~~らけど~り~~」と歌い出すや、日本中の少年少女たちが熱狂した。その映像も、歌っている最中だけ白黒になるという妙な凝り様で、一度観たら忘れられないインパクトがあった。このしらけ鳥のデザインは、『8時だョ!全員集合』(69年)の美術で有名な山田満郎さんによるものだ。