――宮崎監督が演出した『ルパン三世(TV版第2シリーズ)』の最終話「さらば愛しきルパンよ」で演じられた小山田真希も、《単発ならばやらせていただきます》ということで演じられた役だったのですね。
島本 たしか、宮崎さんからの指名だったんじゃないかと思います。オーディションもなかったですね。基本的にゲスト・キャラクターはオーディションをしないですからね。
それで日本中の中学校を回った後に、『スプーンおばさん』のルウリィ役でレギュラーとして復帰しました。で、『ナウシカ』があって『小公女セーラ』のセーラ・クルー、『めぞん一刻』の音無響子をやりました。
『小公女セーラ』はちょっと声を作ったりして、苦労した時期もありましたね。あと、風邪をひいて声がガラガラになってしまって。でも、録らないわけにはいきませんからね。全話を通してみると、ちょっとガラついてるセーラがいることに気づくと思います(笑)。
ちょうどいま、WOWOWで再放送していますので観てみてください。
「お母さんになるとお母さん役が多くなるよ」と
――この頃はお忙しかったと思いますが、『天空の城ラピュタ』のオーディションもお受けになっていますよね。
島本 シータ役で受けましたけど、ちょっと合わないということで落ちました。『となりのトトロ』のオーディションにも呼んでいただきましたね。こちらはサツキ役で受けたんですけど、お母さんのほうが合っているとのことでお母さん役に決まりました。
ちょうど自分自身が母親になったばかりのタイミングでしたので、当時はマネージャーや他の声優さんから言われましたよ。「お母さんになるとお母さん役が多くなるよ」って。
そうしたら、同時期に『キテレツ大百科』のママ役も頂いたんですよ。でも、うちは生まれたばっかりでしたから、サツキとメイのお母さんや『キテレツ大百科』のママみたいな、大きな子供がいるお母さんの気持ちはまだ分からなくて演技に反映するとかはなかったですね。
ーーそして『もののけ姫』でタタラ場を仕切るトキを演じたわけですが、こちらもオーディションで決まったのですか?
島本 オーディションは受けていないんですよ。その頃、『もののけ姫』の録音監督を務めた若林和弘さんの事務所がやられていた作品の仕事をしていたんです。その縁もあって「ちょっと声を録らせてください」と頼まれてテープに録ってしばらくしたら、トキ役に決まったからと。