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「開き直って言いたいこと全部言ってやれ」

――決勝戦に向けて事務所の大先輩である爆笑問題さんからは何かアドバイスはありましたか?

河本 この間、事務所のライブがあったので、その時に報告させて頂きました。僕はネタの最中、立ち位置的に、審査員の顔が全員見えてしまうのが不安でしょうがなくて、「どうしたらいいですか?」と相談したんです。太田さんからは「1回、ガッツリ見ろ」っていうアドバイスをもらいました。まぁ何、言ってんだと思いましたね(笑)。そんなことで緊張がほぐれるわけないだろうと。

 

井口 なんでだよ! 大先輩のアドバイスなんだから素直に受け取れよ。でも、こいつがそれをうまくできるか不安ですけどね。「ガッツリ見ろ」と言われて、本当にガッツリ見続けてネタが止まったら、怖いですね。「そういうことじゃないよ!」ってなりそうです。

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――井口さんは何かアドバイスをもらいましたか?

井口 今回の話ではないんですが、何年か前、なかなか賞レースで決勝に行けないって悩んでいる時に太田さんから「開き直れよ」みたいなことを言ってもらったんです。その時は――。

河本 何、言ってんだと思った?

井口 思ってないわ! ただ、やっぱり当時はその言葉の意味が自分の中で、消化しきれていなかったんですが、今回はこういうご時世だったので、ライブもできないし、本当にネタがなくて、もう2回戦の時点でヤバイなと思っていたんですよ。

 そんな状態だったので、今までなら「これは言っちゃダメだろう」と止めていたことも「もう開き直って言いたいこと全部言ってやれ」ってネタに入れたんです。そしたら、決勝に行けたんです。なので、あの時の言葉がそういう意味だったのかなと、ようやく理解できたかもしれません。

M-1予選のネタも、「出来上がるのは前日」

――所属事務所のタイタンからは初めて決勝進出ですから、爆笑問題さんもお喜びになっていたのでは?

 

井口 そうですね。僕らは爆笑問題さんのライブを毎回、袖で見させて頂いているんです。漫才師として現役でトップを走り続けているお2人を側で見させて頂いているにもかかわらず、漫才で結果を出せていなかったので、今回の決勝戦でいい結果を残して少しでも恩返しができればなと思っています。

――先輩、仲間、いろんな人の思いを背負って立つ決勝戦ですね。今はネタ合わせをする日々なんでしょうか。

井口 いや、まだ、決勝戦でやるネタは決まっていないんですよ。僕らみたいなネタは直前のインスピレーションが大事なので、繰り返し練習して淀みなくやるよりか、その時のストレートな気持ちを言ったほうがウケると思うので。ある意味、悪口の時事ネタみたいなものなんですよ。例年のM-1予選のネタも、前日に出来上がることがほとんどでしたから。

河本 当日、紙の台本をもらって。それを出番の何時間前とかに見て、あわせて。出て、間違えて(笑)。ただ、今回の準決勝は2日くらい前に台本をもらえたので、間違えずにできました。