東大将棋部は、12月25~27日、三重県四日市市で行われる7人制の団体戦「学生王座戦」で悲願の優勝に挑む。コロナ禍で活動を自粛してきた2020年の学生将棋界にとって、最初で最後の大舞台となりそうだ。
今回、東大将棋部の三代の部長・主将、藤岡隼太さん、伊藤蓮矢さん、天野倉優臣さんにインタビューしてきた。ここでは、構成上入れることができなかった「学業と将棋の相関性」「留年」「将棋倶楽部24のレーティング」などなど、三人への質問と答えを番外編としてまとめてみた。(全6回の最終回、第1回を読む)
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学業では、ちゃんと単位を取っています
――打ち上げはどんな感じですか?
伊藤 大きな大会が終わると、だいたい打ち上げはやっていました。将棋の話で盛り上がることも多く、将棋が好きすぎて指し始める人もたまにいます(笑)。先輩のほうが多く払います。無理に飲ませたり、未成年が飲酒したり、迷惑な大騒ぎしたりはありません。大学生なので安くてたくさん食べられるようなお店に行くことが多いですね。
全国大会の後は、参加の大学が集まっての大規模合同打ち上げもありました。対局が終われば、他の大学とも仲良くしています。ただ、大人数の飲食は当分自粛です。
――将棋に打ち込むあまり留年する人も多いと聞いたのですが、本当でしょうか。
天野倉 少なくとも東大では、将棋部の留年率が高いことはないと思います。みんな、将棋が大好きですが、学業そっちのけということはなく、大半はちゃんと単位を取っています。大学の大会には、6年分を上限として出ることができます(2留までOK)。他の大学の強い方が留年して、また大会に出てきて、びっくりすることはたまにあります。
今は女子部員は1人だけです
――東大将棋部の皆さんの将棋倶楽部24のレーティングはどれくらいですか。
天野倉 レギュラーの平均で2600~2700くらいですかね。
伊藤 自分は最高で2900超えくらいです。大学に入ってから上がりました。東大将棋部全体では、2400くらいが中間だと思います。それくらいの棋力の部員が、レギュラーと研究会や練習で指しているうちに、伸びてレギュラー入りすることも珍しくありません。僕は三重にいた頃、自分より強い人がなかなかいなくなって相手に困りました。それに比べて東大では、強い人がたくさんいて、いい環境だと思います。
――合宿はやっていますか?
天野倉 今はもちろん中止ですが、例年6月と8月にやっています。6月は新入生歓迎行事の一環です。2回とも、盤駒時計が揃い将棋合宿の受け入れ先として有名な、神奈川県湯河原町の「杉の宿」でやっていたのですが、コロナ禍で閉館になってしまったそうです。合宿が再開できても、どこでやればいいのか困っています。
――女子部員はいますか?
天野倉 昨年まで学生女流名人戦(王座戦の前、学生王将戦と並行して行われる大学生女子ナンバーワンを決める大会)で優勝するなど強い女子部員がいたのですが、卒業されて、今は女子は1人だけです。もともと将棋を指す女子は少ない上に東大全体でも女子が少ないので、どうしても男ばっかりになってしまいます。