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2020年の言葉

2020/12/31

 破天荒で金銭感覚がズレまくった言動を取る一方で、底抜けに明るくて温かな慶太にクスリとさせられ、ホッコリとさせられた。そして、コミカルな役柄をいきいきと演じてみせる三浦さんの芸達者ぶりに感服した。だが、そんなキャラクターと演技を目の当たりにしたからこそ、この作品の制作中に起きてしまった辛い出来事がより強く際立ってしまうことにいたたまれなくなってしまった。

ブロードウェイの夢を抱いた三浦さんの姿にオーバーラップ

 そして12月11日には、三浦さんが幕末から明治初期を生きた実業家・五代友厚を演じた『天外者』が公開された。

 率先して英語を学び、ヨーロッパに飛んで知見を広めていった五代の姿には、どうしても海外の作品に立つ、ブロードウェイの舞台に立つという夢を抱いていた、三浦さんの姿と『日本製』での言葉がオーバーラップした。

三浦春馬さんが五代友厚役を演じた

《最近はもうどんどん「海外に行きたいです」とか「こういう役をやりたいんですよね」とかって言ってしまってます。そういう中で実現することもあれば、実現せずに終わることもあると思いますが、やりたいことがあって、それがさらに具体性を帯びているって、モチベーションにこそなってもマイナスなことは何ひとつないと思うから。あとは目標に到達するために自分が力をつければいい、そんな気持ちでいるんです》

「僕だっていろいろあるんですよ」

 また、同作を手掛けた田中光敏監督にインタビューする機会を頂いたが、そこで明かしてくれた思い出と三浦さんの言葉も胸に刺さった。

「僕、最後に春馬君と焼き肉を食べに行ったんですよ。(中略)現場以外で会う春馬君ってどうなのかと思っていたら、やっぱりそのまんま。変わらない。僕は思わず春馬君に『こんな質問しておかしいけど、どうして春馬君ってそんなに真っすぐなの?』って訊きましたよ。そうしたら、笑いながら『いやー、そんなことないですよ。僕だっていろいろあるんですよ』と答えていましたね」

「そやな。いっぱい未来の話しよう!」と語る三浦さんと一緒にその先を見たかった。

「僕だっていろいろあるんですよ」と語る三浦さんが抱えていた“もの”に気づけなかったことが悔やまれる。

©文藝春秋

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