三浦春馬さんが放った言葉とセリフ、彼に向けられた言葉。

 そのひとつひとつが、深く胸に刺さった年だった。

三浦春馬さん ©文藝春秋

 あの7月18日から5日後の7月23日に公開された『コンフィデンスマンJP プリンセス編』。

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 公開日に「めざましテレビ」に出演した長澤まさみは、同作と前作『ロマンス編』と共演した三浦さんについてのコメントを求められて「愛敬があって人懐っこくて、とても正義感の強い子だったんじゃないかなと思います。私も弟のように思っていたところもあったので、とても残念ですが、コンフィデンスマンの映画に映っている春馬くんはとてもキラキラと輝いておりますので、その姿をみんなの目に焼き付けてほしいなという気持ちです」と答えた。

 同じ日の「とくダネ!」に出演した東出昌大は「まだ当分は受け容れられないだろうなと思います。ただ、すごい頑張り屋さんで、大好きだった彼なので、彼のした選択を言い訳にして僕らが頑張んないということを決めちゃったら、それこそ彼に対して申し訳が立たないので」と語り、「ジェシーが本当に素敵なんです。『ジェシーってさすがだな』というセリフがあったんですけど、それを心の底から言えるジェシーだった」と続けた。

心を揺さぶる演技と“憂い”

 ふたりの言葉通り、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の三浦さん=詐欺師ジェシーは、キラキラと輝いていたし、「ジェシーってさすがだな」と思えるほど素敵だった。

 逝去した大富豪レイモンド・フウの遺産10兆円を狙ってダー子(長澤まさみ)たちが潜り込んだフウ家で開かれる、盛大なパーティー。世界中から集まった金持ちやセレブを獲物にしようとでも考えたのか、そこへダー子と因縁のあるジェシーも現れる。

 ばったりと出くわし、憎まれ口を叩き合いながらも踊るふたり。ミュージカルの舞台にも立ち続けてきた三浦さんならではの流麗な踊りが、この軽妙洒脱で豪華絢爛なシーンを盛り上げた。

 また、登場自体は少なかったものの、ダー子たちが仕掛けた計画にもしっかりと噛んでいて見せ場をさらっていくあたりには、彼のスター性を改めて感じさせられた。

2019年5月、映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』ワールドプレミアの壇上で笑顔を見せる(左から)小日向文世、長澤まさみ、東出昌大、竹内結子、三浦春馬 ©︎時事通信社

 7月18日から約1カ月が経った8月15日には、太平洋戦争末期の核爆弾開発を題材にしたドラマ『太陽の子』(NHK)が放送された。三浦さんが演じたのは、京都帝国大学の物理学研究室で核爆弾開発に関わる石村修(柳楽優弥)の弟である陸軍下士官・石村裕之だ。