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コロナが収束したら新潟に行きたい

「小説を書いていこうとはっきり決めたのは、高校時代でした。それまではお話を『つくり上げていた』んですけど、高校生のときに、書くことで何か『本当のもの』を探りだそうという意識が芽生えてきた。書くものに『何かが宿った』と思える瞬間がでてきたとき、『この道の先には何かがある』と思えるようになり、小説を書いていく決心がつきました」

 現在は大学生と執筆の二足の草鞋を履く状態。受賞後も、難なくこなせていけそうだろうか?

芥川賞受賞会見で 提供:日本文学振興会

「や、両立しようとすると、なかなか忙しいですよね。大学の授業をギリギリに抑えて(笑)、今のところ、どうにかこうにかやっています。

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 ただ、今まではバイトをたくさん入れていたので、受賞の賞金のおかげでその時間は減らせるかもしれません。残りは、コロナ禍が収束したら、新潟とか淡路島、韓国に行きたいので、旅行のために貯金しようと思います。新潟の牡丹雪ってすごく綺麗なんですよ。

 卒業後の進路ですか? 今2年生なので、まだ明確には思い描けていなくて。現実的に考えると、どこかに勤めたほうがいいかなという気持ちもあります。ただどういう状況であっても、小説を書く時間は大切にしていきたいと思います」

【第164回 芥川賞受賞作】推し、燃ゆ

宇佐見りん

河出書房新社

2020年9月10日 発売