1ページ目から読む
2/6ページ目
よくある甘い味わいと一線を画す「バターチキン」
数ある無印のカレーのなかでも特に人気のあるカレーです。食べるとそのバランスの良さに唸ります。一般的にインド料理専門店のバターチキンは、トマトをベースにしつつもそこにふんだんにクリームやナッツペーストが加えられ、さらにはっきりとした甘みを加えた「デザートのような」と評されることもある仕立てが主流。しかしそれはあくまでナンと合わせることを前提とした、カレーとしてはかなり異端のバランスです。
そこを無印のカレーはより「カレーらしい」バランスに着地させています。乳製品のコク、トマトの酸味と旨味、やや抑え気味の甘さ、それらは何かが突出することもなく、結果的にこれまで欧風カレーに慣れ親しんでいた人でも違和感なく受け入れられる味わいの構成。また、そのバランスゆえにナンではなくライスとの相性も抜群です。
スパイスの配合もその着地に合わせたものになっています。専門店の「デザートのような」バターチキンの場合は、カルダモンをやや極端に強調することで「お菓子感」がより強まっていることも多いのですが、無印のバターチキンはそこもぐっとスタンダードなインドカレー寄りのスパイスブレンドにチューニングされています。そしてそのことで誰もがすんなり「食べたことない味わいだけどおいしいカレー」と感じる味わいになっていると思います。
インドカレー初心者の方にも太鼓判を押しておすすめできる間違いのない逸品です。