無印良品は商品分野もターゲット顧客も絞らない。「商品と顧客は絞り込め」という常識から外れている。それでも無印良品は強いブランドとして認知されている。マーケティング戦略コンサルタントの永井孝尚氏によると「無印良品はブランド戦略の王道を着実に実行している。だから強い」という。永井氏の著書『世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた』から、無印良品のブランド戦略を読み解く。

世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた

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強いブランドなのに、一見非常識な無印良品

 日経BPコンサルティングによるブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン2020」で、無印良品(MUJI)は堂々の3位を獲得した。これはスターバックス、グーグル、アマゾンよりも高い。しかし考えてみると、無印良品は一見、非常識だ。まず商品点数は5000点に及ぶ。最近は食品も売るしホテルも運営する。かつては日産と協業してマーチベースの「MUJIカー1000」というクルマも売っていた。商品はバラバラだ。ターゲット顧客も絞らない。「商品と顧客は絞り込め」という一般常識から外れている。それなのになぜか無印良品というブランドは強い。

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 ここで参考になるのが、世界的なブランド戦略の大家であるデービッド・アーカーの著書『ブランド論』だ。この本はアーカーの著書や論文からエッセンスを選りすぐり、20の基本原則をまとめた一冊だ。そこでブランド論の基本を踏まえながら、無印良品がなぜ強いブランドなのかを考えてみよう。