――『BLUE GIANT』は海外でも人気が高いと聞きます。
石塚 どうでしょう? フランスに行った時、書店でサイン会を開いてもらったんです。「パリでサイン会? 誰も来ないだろうな」と思ってたんですけど、長蛇の列ではないにしても人が並んでくれて。なかには昨日、必死で覚えました!みたいな日本語で、ちょっと震えながら挨拶してくれた人もいて、有難かったですね。
――大英博物館の大規模マンガ展(‘19年に行われた「The Citi exhibition Manga」)にも作品が選出されました。
石塚 その時もトークショーをやったんですけど、たくさんの人に集まっていただき、嬉しかったです。仙台出身の男の子が世界一を目指す話がロンドンで読まれていると思ったら、もう。
今の子たちに「起きろー! 」と言いたくなってしまう瞬間
――ノーベル賞に一歩近づきましたね。
石塚 まだまだです。大英博物館にマンガ展の垂れ幕がドーンとさがっていたんですけど、『ゴールデンカムイ』のでしたから。それを見て、「負けねーぞ!」って(笑)。あからさまなライバル心とか大好きなんですよね。誰か僕のことをライバル視してくれないかなー。
まぁでも海外に呼んでいただくのは特別な気持ちがしますね。そもそも、海外に行くのが好きなので。
今の子たち、うちのスタッフもそうですけど、海外に行きたいって気持ちがなくて、「グランドキャニオン行かなくていいの? アマゾン川見たくないの? シベリア鉄道乗りたくないの?」「自分は大丈夫なんで」「起きろー! しっかりしろー!!」みたいな。
大がいろんな所に行くのは、いろんな所を見て、いろんなことを思う大で居てほしいというのもあるかもしれません。フランスに行った時も凱旋門に行くことになって、最初は「ベタだなー」と思ったんですけど、行ってみたらすごくよくて。
――「シュプリーム」にも大たちが凱旋門に行くシーンがありました。上にあがれるとは知らなかったので驚きました。
石塚 僕もその時まで知らなかったんですけど、シャンゼリゼ通りから何から全ての中心になっていて、すごくよかったです。