今も使用され続けている「チョコボール」のCMソング
ということで、俺は旧知の吉江さんに相談を持ちかけ、そこから、CM音楽作家としての本格的なキャリアが始まった。
一番有名なのは、森永製菓「チョコボール」のCMソングかなあ。87年にとんねるずの歌うヴァージョンが放送されてから、今に至るも使用され続けているからね。
あとは、日本コカ・コーラの「爽健美茶」も相当長いよね。あの歌は、95年からずっとCMで流れてるんだ。
それから、戸川純ちゃんが出てくれたTOTO「ウォシュレット」。コピーライターは仲畑貴志さん、ディレクターは川崎徹さんという豪華な座組みで82年から放送が始まった。実は、あのサウンドロゴには、意外とたくさんバリエーションがあるんだ。何人かで歌ってるあのロゴの中には、俺の声も入ってると思う。
インパクトのあるサウンドロゴといえば、日清「スパ王」のそれも俺が作ったものなんだ。
87年には、BPMレーベルから宮崎美子の「だからDESIRE」という7インチシングルをリリースしている。BPMから出てるだけあって、ラップなんだよ。そのB面の「タカラ本みりん」っていう曲が、その名の通り宝酒造「タカラ本みりん」のCMソング。コピーライターから詞をもらった上で、俺が作編曲を手がけている。
A面は馬飼野康二さんの作編曲で、作詞にクレジットされている「作詞センター」というのが俺のペンネームなんだ。
クライアントに提出するCMの制作伝票には作詞者や作曲者の名前の記載が必要なんだけど、そんなの、誰も真面目に見ないからさ。俺はいい加減な名義ばっかり書いてたのよ。「作詞センター」「作曲研究所」「東京アレンジサービス」とかさ。
「小諸鉄矢とCM NETWORK」ってのもあったな。小室が小諸になると途端に田舎くさくなるのよ。「害毒」っていうペンネームで書類を提出した時は、さすがに制作会社の経理の人から怒られたけど(笑)。