出社や外出の機会が減り、家での時間が増えたことで、コンタクトからメガネに切り替えた人も多いでしょう。また、リモート映えを意識して、メガネを新調しようと考えている人もいるかもしれません。

 とはいえ、「せっかく買ったものの、似合わないので掛けていない」という声も多く聞かれます。メガネ選びに失敗してしまう原因は、どこにあるのでしょうか。眼鏡ライターとして毎年約1000本のメガネを試着し、これまで100本以上のメガネを購入してきた筆者が、失敗の原因と似合う選び方のコツについて解説します。

(1)形ばかりに囚われ、サイズを意識していない

「私には、どんな形のメガネが似合いますか?」。眼鏡ライターという仕事柄、こんな相談を受けることも少なくありません。ここで多くの人が形を聞いてくるのは、これまで「丸顔の人はスクエア型のメガネが似合う」といった、顔型別に似合う形を指南する方法が主流だったからだと思われます。

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 しかし、考えてみてください。まず第一に、人の顔もメガネの形も、丸や四角などとはっきり分類できるほど単純なものではありません。また、同じ顔型であっても目や鼻といったパーツの位置や大きさは人によって異なり、それぞれ個性があるわけなので、そうした大まかな顔型の分類だけに囚われる必要はないんです。

 

自分に合ったサイズを選ぶことが重要

 では、一体何を目安に選べばよいのでしょうか。じつは、似合うメガネを選ぶ際に重要なのがサイズです。自分に適したサイズより大きすぎたり小さすぎたりするメガネだとバランスが悪く、不格好に見えます。これが、似合わないと感じられる原因のひとつなのです。

 自分に合うサイズの基準は、「メガネを掛けた際、左右各レンズの中心にそれぞれの黒目(瞳孔)がくるもの」。サイズが合っていれば、顔型に関わらずどんな形でもバランスよく掛けられることが多いので、様々な形にチャレンジしやすいでしょう。

自分のサイズを知るには?

 自分に合うサイズは、数値でも知ることができます。メガネを作る際、眼鏡店ではPD(瞳孔間距離)といって左右の瞳孔間の距離を必ず計測していて、これが自分のサイズの目安となります。メガネフレームには多くの場合テンプル(つる)の裏側にサイズの表記があり、「51□21 145」とあった場合、単位はmmで、51が片眼レンズの横幅。21がブリッジ(両レンズをつなぐ鼻元のパーツ)の横幅となります。

 

 この片眼レンズの幅とブリッジ幅を足した数字が「フレームPD」と言われ、この値が自分のPDと近いものを選ぶと、黒目がレンズの中心近くに位置するのです。自分のPDが知りたければ、お店で先に計測してもらうこともできるので、そのうえで自分に合うサイズのフレームを数本見繕ってもらうのも良いでしょう。