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身の置きどころに迷い「話のわかる女」を演じていた…30代高身長女子の“後悔”

2021/02/11
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洋服の「好き」とサイズが合致したきっかけ

 長らく自分にとって買い物は楽しむものでなく、「入りますように」という祈りだった。デカい尻を収めようと、試着室の中で汗をダラダラかきながらパンツと格闘するのは当たり前。こちらの苦労もしらず、軽やかに「いかがですか〜?」とノックしてくる店員は羞恥心を植え付けてくる敵に見えた。

 洋服問題とケリが付いたのは、メンズの服を着るようになったことと、ZARAやGAP、H&Mといったファストファッションブランドの台頭のおかげである。

©iStock.com

 歴代の彼氏は私と同じような身長かつ男性にしては細身だったので、服を拝借できてしまった(すいません)。するとどうだろう。男もののパンツはデカ尻をすっぽり包みこんでくれ、屈んでもハミ尻しない。もともと女らしい装飾は好きではなかったから、メンズブランドに目を向ければデザイン面でも好みのものと出会えるようになった。やっと「好き」と機能性とサイズが合致したことで、驚くほど生きやすくなった。

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大きな図体を動かしてくれている身体に感謝

 38歳になろうとする今、ようやく身長も含め、自分の身体と体型を受け入れられるようになった。それは夫や歴代の彼氏のおかげでもあるし、服と格闘してなんとか着地点を見つけたおかげでもある。そして、デカいことを楽しんでいる(ように見える)、街中の素敵な女子たちの影響も大きい。

 あと、こんなことを言っては身も蓋もないかもしれないが、子どもを生み、大病をしたここ3年で、「生きてるだけで丸もうけ」になってしまったのは間違いない。けなげに大きな図体を動かしてくれている身体に心から感謝したい。

身の置きどころに迷い「話のわかる女」を演じていた…30代高身長女子の“後悔”

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