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国際競技連盟で会長職に就いた日本人の少なさ

 FIBAは、2023年に会長選がある。会長選は4年に一度で、会長は6大陸の持ち回りとなっている。現在はアフリカ大陸が会長を出しており、2023年からの4年はアジアに順番がまわってくる。

 ここで日本は立候補するべきだ、と個人的には考える。

 アジアから会長を出すことになれば、中国の姚明は最有力候補の1人だろう。現在FIBAアジアのチェアマンでもあり、彼が会長の椅子を射止める可能性は十分ある。FIBAの理事にはアジアから中国、マレーシア、日本が名を連ねていているが、西アジアの国も手を挙げてくるに違いない。姚明を含め複数の候補者が争う構図になるだろう。

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©iStock.com

 国際競技連盟で会長職に就いた日本人は、過去に4人しかいない。1952年から1965年まで国際柔道連盟会長を務めた嘉納履正さん、1979年から1987年まで同連盟会長職にあった松前重義さん、1987年から1994年まで国際卓球連盟会長を任された荻村伊智朗さん、それに2017年から国際体操連盟の第9代会長を務めている渡邊守成さんだ。国際競技連盟の会長に日本人が就任したら、これは大変なニュースだ。

 FIBAの会員数は213団体で、FIFAの211国と地域、FINA(国際水泳連盟)の208国と地域を上回る。FIVB(国際バレーボール連盟)の222ヵ国には及ばないが、IOCに対しても一定の影響力を発揮できる。

 日本バスケットボール界は2016年にBリーグが開幕し、2019年にはワールドカップに21年ぶりの自力出場を果たした。NBAプレーヤーも出てきている。バスケットボールにまつわる複数の歯車が同時に回り出している今のタイミングで、アジアからFIBAの会長を選ぶことになっているのだ。黄金の好機が到来している、と言っていい。

東京五輪は“政治”の場でもある

 期せずして東京オリンピック・パラリンピックが延期となり、国際競技連盟の要職にある人物が2021年に東京に集結する。新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かっていることが開催の条件になるが、そうなれば、日本にいながらにしてロビー活動ができるのだ。スポーツ庁も巻き込んで、日本人候補を擁立するべきだと思う。

 スポーツも政治だ。国際競技連盟の会長やIOCの理事といった役員のポストを得なければ、自分たちの意見は通しにくい。それが叶わなければ、各委員会へ日本人を派遣する。委員会は財務、マーケティングといった分野ごとに構成されているので、それぞれの分野の詳細な情報を得やすい。