さらに24年にはパリ五輪があるから、28年のロス五輪の後、つまり32年の開催に廻ろうという意見がある。そうなってはもはや絶望としか言いようがない。今から11年後、マンションはすでに19年に竣工済みであるからリニューアル後の34年入居、つまり築15年のマンションを引き渡されてもワクワクなんてするだろうか、という話になる。これはもう、選手村は別に用意したほうがよいことは言うまでもない。
今からリニューアル工事に入って安く販売すればいい
さて、森さんをはじめ、五輪関係者は石に噛り付いてでも五輪を開催したいとのことだが、仮に行うとしても、日本にやってくる選手や競技関係者の数は極端に少ないだろう。そして選手村を利用する選手も少なく、おまけにPCR検査実施に、外出もままならない、そんな選手村に多くの日本人がワクワクするだろうか。
いっそのこと、もう選手村として利用することを諦めたらどうだろうか。今、少なくとも選手村としての利用をやめて、リニューアル工事に入れば、多少の遅れがあっても23年の引渡しが大きく遅れることはない。デベロッパーは売りにくくはなるだろうが、もはや「無理くり」行われた五輪の「選手がいたんだかいなかったんだかわからない」選手村の後のマンションに過度の不動産的価値を期待するのはそれこそ「無理筋」というものだ。もともと土地代はめちゃくちゃ安かったのだ。思い切り安売りしてさっさと売りさばけばよい。
弱り切ったホテル・旅館を選手村に
それで、やってくる選手たちはどこに滞在するか、といえば簡単だ。コロナ禍で苦しむ都内のホテル・旅館の部屋を選手、競技関係者たちに利用してもらえばよい。菅さん得意のGO TO ホテル&旅館だ。都内の多くの宿泊施設は長引くコロナ禍といつまでも解除できない緊急事態宣言下で、稼働率は10%程度と阿鼻叫喚状態だ。そんな彼らを救うことがGO TO だったはず。選手村はさっさとマンション仕様にお化粧直しして早く売り払う、選手たちには弱り切ったホテル・旅館に宿泊してもらう。どうせ海外からの観客を呼ぶことは不可能だろうし、日本人観客だって制限されてあまり来ないだろう。全館PCR検査体制を万全に整えたうえで、一棟丸ごとお泊りいただければ、日本流の「お・も・て・な・し」の真髄を味わっていただけるはずだ。
これだけのこと、リーダーの意思で決められるはずだ。放置しておけば経済的被害はどんどん拡大する。そして人々は疑心暗鬼となって無理や無駄な闘争が始まる。晴海フラッグ、早く楽にしてあげようではないか。