新型コロナ感染拡大は収束の兆しが見えず、いつ誰が感染してもおかしくない状況が続く。突然、「陽性」を言い渡され療養生活を余儀なくされたら、何を用意すればよいのか。『週刊文春 新型コロナ完璧サバイバルガイド』より、感染経験者たちに取材し、ホテル療養・入院生活に備えた必須アイテムと一覧表を転載する。

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ホテル療養編:突然「部屋が空いた」と連絡が

「今から1時間半後に迎えの車が行きます」

 保健所からの連絡を受け、PR会社サニーサイドアップの代表取締役社長の次原悦子さん(54歳)は、慌てて別の場所に住む妹に炭酸水や野菜ジュース、レトルト食品、加湿器などを買ってきてもらった。身の回りの物と一緒にスーツケースに詰め込み、自室の消毒を終えたところで白いバンが自宅前に到着。すでに乗り込んでいたマスク姿の患者と共に都内のホテルへ向かった。

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 新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。PCR検査で陽性になると、高齢者や持病があり、重症化リスクが高い人は入院。軽症や無症状の場合はホテルや自宅での療養になる。 

 今やいつ誰がなってもおかしくない。いざというときに焦らないよう、必要な持ち物は予め用意しておくことが肝心だ。

 次原さんが味覚と嗅覚の異常を感じ始めたのは昨年12月30日。年明け1月2日に検査し、その日にコロナ陽性が判明した。

「80歳の義母と同居していたのでホテル療養の対象になりました。ですが都内の療養先は満室。このまま自宅療養と思っていたら、4日後に突然、部屋が空いたと連絡が来ました」

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重宝するのは、羽織りもの・室外用のサンダル

 ホテル療養の基本的なスケジュールは1日3回、スタッフへの体調報告と朝昼晩の食事のみ。発症日から10日間ほど部屋に隔離される日が続き、食事と飲み物を取りに行くときだけ室外に出ることができる。

「食事を取りにロビーまで降りるのですが、このときパジャマだけでは心もとないため、パーカーやカーディガンなど、季節に応じた羽織ものが一枚あると重宝します。サッと引っかけられる室外用のサンダルもあるとよいでしょう。なかには、室内なのに初日に着てきた分厚いコートやブーツを、パジャマの上から身に着けている方もいて、不便そうでした」(同前)

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 単調な療養生活において三度の食事は貴重な楽しみの一つであるが、次原さんにとってはこの食事こそが悩みの種になった。

「軽症や無症状者の療養先となるため、ホテルは比較的若くて元気な患者さんが多く、食事のメニューも朝のお弁当から揚げ物が付いてくることも。でも残念ながら私の年齢ではとても胃が追い付かない。喉の痛みも強く、ほとんど食が進みませんでした」(同前)