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――敢えてこうしてるんだと。

鳥居 そう。恥ずかしいから。でもそんなみじめなところもさらけ出さないとほんとはよくなかったかなと思う、今となっては。全てはプライドですよ。プライドが全てをダメにしている、人間って。

――かっこつけたりとか。

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鳥居 そうです。で、そのプライドを一回捨てようと思ったのが、芸人になって全然ネタがオーディションに受からなかった時期。プライドを一回捨てようって思った時期ですね。

――それが山田ルイ53世さんから言われた「もっとポップなネタを作れ」で、生まれたのが「ヒットエンドラン」。

鳥居 よく知ってますね! もう話さなくていいじゃん!

 

本当は演出家になりたかった

鳥居 でも芸人というか、演出家になりたかったんです。

――なぜ演出家に?

鳥居 結局自分が思い通りに動けないんだったら、神のように人を操ればいいんだと思いました。なので自分で脚本を書いて演出家になればいいと。

――神のように(笑)。

鳥居 普段の生活も、自分が思ってるようにできない、すごい歯がゆいことばかりなんです。だったら周りが変わればよくね?って。自分が全部に動きをつければいいんだと思ったんですよ。

 それで劇団に入って「演出家になりたいです」って言ったら、「演出家になりたいんだったら、とりあえず演技ができなきゃだめだよ」って言われたんですよ。ただその劇団のコメディーが全然面白くなくて。なんだこれ、と思って。こんな面白くないものを面白いって表現できないって思ったんです。なのでコメディーを学ぼうと。

――あぁなるほど。

鳥居 そう。それで今に至る(笑)。まだ学んでる途中。

 

――じゃあ今はまだ学び途中で、その期間が終われば演出家になる。

鳥居 やっと夢を叶えられると思います。でもそうなる前に、今、演出の仕事もやってるので意味が分からない。

――たしかに。

鳥居 今までのはカウントなし。ノーカウント。だからそれでいうとまだ何も仕事始めてないみたいなもんです。

――コメディーを学ぼうと思ってサンミュージックに入ったのはなぜですか。たしかにサンミュージックと鳥居さんの相性は良さそうな感じするんですけど。

鳥居 なんで? あ、文春だから? 文春だからサンミュージック?

――それは関係ないんですけど(笑)。サンミュージックは自由なイメージある。

鳥居 自由です。サンミュージックは良くも悪くも自由ですね。