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地面に突き刺さったクサビ状のコンクリート、曲面だらけのホテル…異様な存在感ほとばしる“ナゾの建物”

日本の不思議な建物 #1

note

住宅街で異彩を放つ曲面ホテル

ホテルなか安

ホテルなか安
設計:不詳
竣工:不詳
住所:東京都八王子市暁町1-36-6
地上9階

 鳥の巣のような、ガの繭跡のような。円筒が斜めに切られたような形状が壁にびっしりと取り付いた姿は、周囲の住宅街の景色から明らかに浮いている。

南側
西側。西側は、半円の板だけバルコニーが中途半端につけられ、不思議度を高めている

 

 この1つひとつは、掃出し窓の外に付いたバルコニー。鉄筋コンクリート造の建物と一体でつくられている。この建物はホテルとして営業していたもので、目立っていることはある意味で正しい。

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東側
南東側

 創業80年を超える老舗「料亭なか安」のパンフレットによると、1965年に3階建てホテルを建設した後、1972年に9階建て新館を増設。しかし2003年には宿泊業を停止し、飲食のみの営業となった。

 基壇の料亭では変わらずに、日本庭園のある純和風の空間が広がっている。ホテル起死回生の手はあるのか? あっと驚くリノベーションに期待。