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「問題解決型」の集合住宅
■川崎市河原町高層住宅団地
設計:大谷幸夫
竣工:1972年
住所:神奈川県川崎市幸区河原町1
地上14階
総戸数約3,600戸という大きな団地のなかで、ひときわ目を引く逆Y字型の住棟。14階のうち低層部の5層が外側に迫り出し、段状になっている。
高層・高密度となる集合住宅で、低層部の日照を確保し、周囲への圧迫感を緩和するために採用された形式。低層部では南面の日照を取り込めるように、テラスの空隙が入れ込まれている。凸凹が連続する圧倒的な光景は、見る者に時間が止まったかのような錯覚を生じさせるものだ。
逆Y字の内側は半屋外の共用空間となっていて、上層階の吹き抜けともつながる。住戸ユニットの「部分」が集合住宅の「総体」を形づくっていく、「個即全」という大谷氏の思想が色濃く反映されている点でも必見の建築。
写真=傍島利浩
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