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傾いてスライドする、斜め床の集合住宅
■SLIDE西荻
設計:駒田建築設計事務所
竣工:2009年
住所:東京都杉並区
地上3階・地下2階
床といえば真っ平ら。人が過ごす住宅であれば、なおさらのこと。そんな既成概念を打ち壊すように、この建物ではコンクリート床が途中で斜めに迫り上がっている。外壁の大部分は床から天井までガラスであるため、1階分をつなぐ床の斜め具合が外にそのまま現れている。
9戸からなる集合住宅で、平面図ではロの字をした単純なプラン。しかし中庭を取り囲みながら螺旋状に住戸が続き、1戸ずつ形状が異なる。
いずれの住戸にもある傾斜には畳スペースや個室などが配され、幅広の階段がそれらの居場所をつないでいる。上のほうの住戸では、斜め床を登るとルーフバルコニーに。斜めの空間を行き来する、変化に富む日常がその先にある。