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三つ子のうちのひとり、莉緒ちゃん・2歳が死亡

 その後、祥子さんを悲劇が襲う。同年10月29日に、三つ子のうちのひとりである莉緒ちゃん(仮名=2)が、「横代マンション」の室内での頭部打撲による急性硬膜下血腫が原因で死亡してしまうのだ。

※写真はイメージ ©️iStock.com

 結果として事故死と処理され、その詳細については明らかになっていないが、松永弁護団による冒頭陳述要旨では次のように述べられている。なお、密室での話であり、あくまでも松永が弁護団にそのように明かしたという認識の下で、それらの内容と向き合う必要があることをお断りしておく。

〈被告人松永は、祥子の三つ子の誕生会をした日の翌日である同年10月28日、祥子、被告人緒方、(松永と緒方の)長男と共に大分に行き午後10時すぎころに「横代マンション」に帰宅した。同日、祥子の子どもたちは「横代マンション」で留守番をしていた。被告人松永は、台所でビールを飲んでいると、同日午後11時ころ、祥子が、「莉緒がけいれんしよるけんちょっと見て。」と呼びに来たので、奥6畳間に行くと、莉緒が上を向いて手足を震わせていた。被告人緒方はこれを見て、「さっき見たときは走り回りよった。」と言い、祥子は、「さっき吐いた。おなかがおかしいとやろか。」、「あのコピー機から飛び降りたりするとよ。ちょっとあぶなかとやけん。頭とかもちょこちょこ打つよ。」と言った。

 

 被告人松永が、祥子に対し、「病院に連れて行ったほうがいい。」と言ったことから、祥子は、被告人緒方の付添いで莉緒を病院に運び、手術してもらったが助からず、翌29日、莉緒は死亡した〉

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 これらの説明について、まず2歳児3人を部屋に残したまま外出するのかという疑問が浮かぶ。さらに祥子さんが口にしたという「さっき吐いた……」や「あのコピー機から飛び降りたりする……」といった、事故であるとの“予断を抱かせる”言葉がわざわざ出てくるところにも、いかがわしさを拭えない。同陳述はさらに続く。

〈祥子が「警察に行かんといけん。」と言うので、被告人松永は、祥子に対し「そのまま話せばいい。」と告げた。祥子と被告人緒方が警察の事情聴取を受け、莉緒は司法解剖に付された。

 

 祥子は、莉緒が死んだことについて自責の念にかられ、間もなく、××(本文実名、以下同)、××の2人の子を前夫の××に返した〉