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出会うべくして出会った2人
「こいつ、マジでやばい。ある意味、たいしたもんですよ。ほんと、よくやれてるよ、おれが」
その横で村上は気まずそうな笑みを浮かべ、「そんな言葉(フルベット)が、よく出てきますよね……」と呟いたりしている。無論、その言葉は、野田の怒りに油を注ぐ結果にしかならないのだが。
それにしても、歴史に名を残した漫才コンビはみんなそうだが、この2人も、出会うべくして出会ったのだと思えて仕方がなかった。
マヂカルラブリーは、思いっ切り傾いたヤジロベーだ。「アンバランス」という名の「バランス」。そんなコンビだからこそ、昨年のM-1で、革命を起こすことができたのだ。
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「文藝春秋」3月号及び「文藝春秋 電子版」に掲載した中村計氏の論考「令和の開拓者たち マヂカルラブリー」では、野田クリスタルの母親と村上の父親のほか、アキナや錦鯉、ウエストランドなどM-1決勝で鎬を削ったお笑いコンビなど、2人を知る関係者に徹底取材を行い、学生時代の知られざる秘話やコンビ結成の経緯、M-1グランプリを制することができた“勝因”について綴られている。
