昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/03/09

genre : ライフ, ヘルス

 また、どのタイプのダイエットを選ぶかよりも、きちんとやれるかどうかのほうが重要だという意見もあります。禁欲的なダイエットをずっと続けるのは難しく、リバウンドのリスクもあります。

 そういう意味では、大病をしていない健康な人であれば、極端なダイエットに走るのではなく、できるだけゆるい、続けられるダイエット法を選んだほうがいいかもしれません。

現時点での結論は……

 糖質制限には、短期的にはかなり多くのエビデンスがあります。しかし、今まで繰り返し申し上げてきたように、「多くのエビデンスがあるから正しい」と言えるものではありません。

「やせる」「短期的に、心筋梗塞のリスク因子を改善するようだ」ということは、いくつかの研究で証明されています。

©iStock.com

 ただし、もっとも大切なのは、「長期間にわたって、死亡率を改善するのかどうか」ということです。糖質制限においては、「長期にわたる研究」が絶対的に少ないのです。「メタアナリシス」もいくつかありますが、1年程度の研究も多く、何十年にわたって検証されたものはほとんどありません。最終的な結論を出すには、もう少し時間が必要でしょう。

 また、糖質制限の効果については、「研究対象がどんな人か」にも注意を払わなければなりません。「糖尿病患者」に対して効果があっても、一般の人に対して効果があるかどうかはわからないからです。

 糖質制限だけではなく、食習慣に関する膨大な最新のエビデンスを見ていくと、死亡リスクを減らす「よい食事」と考えられるものと言えば、「肉よりも魚を摂取したほうがよい」「肉の中では、牛や豚、あるいはハムなどの加工肉よりは、鶏肉を食べたほうがいい」「白いパンよりも全粒粉などの茶色いパンがいい」「食物繊維をたくさん摂ったほうがいい」などがあります。

©iStock.com

 このような「常識」を念頭に置きつつ、極端に走らず、結局のところ「ほどほどに、適切な範囲で」を守ることが重要だと言えそうです。

 わたしは、人間ドックの結果説明の際には、「食事はバランスが一番大事です。何かをやめればいいものでもないし、特定の食品ばかり摂取すればいいものでもありません。極端な糖質制限はお勧めしません。全体のバランスを考える必要があります」と、お話ししています。

 25年間にわたるハーバード大学の研究とも一致する考えです。糖質制限をするにしても、あまり極端ではなく、ゆるやかな形でされるのがいいと思います。

この記事の写真(6枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z