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「自分はこんな所で働く人間じゃない」 “モンスター社員”に共通する“哀しい生態”とは

『あなたの隣のモンスター社員』より #1

2021/03/08

source : 文春新書

genre : ビジネス, 社会, 働き方, 読書, 企業

note

コンプレックスが肥大して…

 どんな人でも、多かれ少なかれ自分に対するコンプレックスを抱えている。しかし、それが極端に大きくなると、コンプレックスから自分を守るために、周囲の人間を攻撃する人がいる。K田の場合、自分の学歴について、周囲からバカにされないように、逆にその部分を攻撃する事によってバランスを保っていたのだろう。健全な人間関係を築くために、自分を肯定するというのはとても重要な事だ。しかし、K田の場合、自分の学歴を受け入れることができず、心の底では自分を否定していたのだろう。その思いが、部下へのいじめという形で噴出したのだ。

どうして自慢するのか?

 どうでもいいような自慢話を、話の脈絡に関係なくしてきたり、自分に注目があつまるよう、派手な言動で周囲の興味をひく人の根本にあるのは、自分への自信のなさだ。自己評価が低く、傷つきやすいので、「自分を良く見せたい」「周囲にすごい人だと思われたい」「本当は、こんな自分になりたい」という気持ちが、自慢や派手な言動につながる。時に、内容が現実味を帯びず、周囲から「うそつき」とされてしまうこともある。

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 また、注目を浴びる事が大好きで、自己愛の強い人も自慢をする傾向がある。女性の場合、露出度の高い服を着たり、派手なメイクなどで異性の関心を引こうとする事もある。こういった人も、根本には自信のなさがあるのだろう。注目を浴びる事で、自分の心のバランスを取っているように思う。

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