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「次はお母さんと一緒に来て」…新米パパが感じた“育児の世界に歓迎されていない”違和感の正体

2021/03/19
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 2020年に子供が産まれた。いまや「男親も育児をするのが当然の時代である」といわれており、もちろん私もしっかり育児をやるつもりだった。しかしいざ子育てをはじめると、男親が主体的に育児をすることの難しさが浮き彫りになってきたのである。

男性にも多い“産後うつ”

 我が家は共働きで、妻は外へ働きに出ている(現在、妻は育休中)。よって家で仕事をしている私が炊事・洗濯・掃除・買い出しなどを担当している。子供が産まれたのならばそこに育児を足せばいいだろうと思っていたのだが、それは甘い考えだった。

 ある日の深夜2時、子供がギャンギャンと泣いてばかりで眠らなかったとき。妻は育児がうまくいかないことを悩み落ち込んでいたため、私が子供をあやしていた。しかしひとつ問題があり、その日の私には朝早くから仕事があったのだ。

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 子供が泣いているのは無視できないし、妻も落ち込んでいるのだからいまは自分がやるべき状況である。とはいえ、いくらなんでもこのままでは仕事に支障が出てしまうわけで、いったいどうすればいいのかとため息も出てしまう。しかしこれが失敗で、情緒不安定になっていた妻はため息を聞いて泣き出しはじめた。急いで妻をフォローし、なんとか子供を寝かしつけたあと、私は「もはや自分にはため息をつく権利もないのだ」と知った。

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 時事メディカルの記事によると、妊娠20週から産後3カ月における産前・産後うつ状態の割合は、女性が7.0~10.9%、男性が6.3~9.0%となっており、同程度の発症が見られるようだ。NHKでも父親の産後うつが特集されるように、育児に悩む父親は決して少なくない。