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アメフト部での活動は将来にも影響が

 ふたりともいまは就職活動の真っ最中でもあるが、岡部さんはアメフト部での活動が仕事選びにも影響を与えている。

「学生だけでなく社会人を含めた様々な方と仕事をさせていただくことで、刺激を受けました。いまは人やモノをつなぐ総合商社や、広告代理店を研究中です」

試合中はスタッフもサイドラインで多くの仕事がある

 津村さんは自分のスキルを活かしたいと感じ、IT系への就職を希望している。

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「いま、自分の興味はVRの方に向いているので、そちらの方に進めたらいいかなと思っています」

 でも、その前にこの春にどうしてもやらなければいけないことが…。

「いま、SEが僕だけなんですよ。この世の中、アメフトとコンピュータの両方が好きな人がなかなかいないんです。誰か後継者が入部してくれるとうれしいです」

アメフト、そして東大アメフト部の魅力とは?

 最後にふたりに東大アメフト部の魅力を聞いてみた。岡部さんは、アメフトの魅力から語ってくれた。

「役割がすごくハッキリしていて、自分が得意な分野でチームに貢献することが出来ますよね。それは選手もスタッフも一緒だと思います。ウォリアーズは京大出身の森清之さんがヘッドコーチとして、学生に考えさせることを重視しています。それがチームの特徴にもつながっていると思います」

 津村さんはSAの期間もあっただけに、戦術面での醍醐味を語る。

「去年の試合で言えば、中大戦はうまく展開がハマって勝つことが出来ましたが、甲子園ボウルにも進んだ日大は、やっぱり強かったです。ウチは、戦術面だったらどこにも負けないと思います。理論上、すごい作戦を立てることは可能なんですよ。頭を使うスポーツですから、東大としてはそこでは負けられないです」

 ただし、アメフトでは選手同士がぶつかり合い、目の前の相手に押し込まれてしまったら、そのプランは破綻する。だからこそ、選手たちはストイックに自らを鍛えて試合に備える。選手たちの自らを律する姿勢に、岡部さん、津村さんはリスペクトを欠かしていない。

 選手、そしてスタッフがあっての東大アメリカンフットボール部なのだ。

東大アメフト部ツイッターより

 なにも東大だけではない。

 全国の大学アメフト部には、運動経験のないスタッフが数多く活動に参加している。私は関西学院大学の前監督・鳥内秀晃氏の取材をするなかで、「KG」のスタッフの充実、そして女性の活躍の場が広がっていることにも強い感銘を受けた。

 コロナ禍でキャンパスでの生活が様変わりしたなかで、どんな4年間を送るかは行動によって変わる――。

 全国のアメリカンフットボール部、いや、大学の体育会は、運動経験のないあなたを大歓迎してくれるはずだ。